大阪府の最低賃金2年連続引き上げ
2022年度の大阪府の最低賃金が2年連続で引き上げられ、31円アップの1023円になる見通しです。
中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)は今月の2日に、2022度の最低賃金について前年度からの引き上げ額を、全国平均で31円(伸び率3.3%)にするとの目安額を後藤茂之厚労相に答申しており、引き上げ額、引き上げ率ともに過去最高の賃上げ内容です。中央最低賃金審議会から提示された目安額は、各都道府県ごとに4つのランクに分けられており、近畿圏では、大阪府がA区分31円、京都府・兵庫県・滋賀県・三重県がB区分31円、奈良県・和歌山県がC区分30円となっています。これを受けて各都道府県の審議会がそれぞれの最低賃金を答申します。近畿圏においては、兵庫県以外は、中央最低賃金審議会が答申した引き上げ額と同じです。兵庫県は、全国平均に近づけるためや大阪や京都への労働力流出を防ぐために、32円で決定したようです。近畿圏のそれぞれの最低賃金額と値上げ額は以下のとおりです。
大阪府 1023円 31円
京都府 968円 31円
兵庫県 960円 32円
滋賀県 927円 31円
奈良県 896円 30円
和歌山県 889円 30円
日本の最低賃金は、「最低賃金法」で定められています。定められた最低賃金を下回る賃金を支払っていた企業には、同法に基づいて50万円以下の罰金が科されることになっています。最低賃金の値上げは、企業にとっては人件費が高くなることを意味していますので、企業は、雇用を減らす、労働時間を縮小するなどの対策を練ることになります。
分譲マンションの管理を受託している管理会社も同様で、この最低賃金の値上げで何らかの対策を講じる必要がでてきます。特に、管理員と清掃員の賃金アップへの対策です。この賃金アップを社内の収益構造のなかで吸収することが出来ればよいのですが、出来ないようであれば、管理組合に委託費用の増額を提案してくることになるでしょう。
今回答申された新しい最低賃金が適用されるのは、今年の10月頃ということですので、早ければ11月ぐらいに、次期管理委託契約での費用増額提案がなされる可能性があります。ここ数年管理委託費用が増額されていない管理組合様は、特に可能性が大きいものと思われます。