子供転落事故の防止対策支援制度:東京都
東京都が子供の安全性を強化した集合住宅などを対象とした「東京こどもすくすく住宅認定制度」を開始することが、都の定例記者会見で発表されました。平成28年2月22日に創設された従来の「子育て支援住宅認定制度」を見直し、最近多発している子供の痛ましい転落事故が起きないよう、子供の安全性が十分に確保される住宅の供給を積極的に推進するようです。
転落防止などの安全確保、快適な子育てが可能となる間取り・設備などの工夫が凝らされた集合住宅の供給を行い、分譲・賃貸、新築・改修問わず2戸以上の集合住宅を対象とするとのことです。
この制度では、次の3段階の認定モデル基準を設けて、認定基準の適合度合に応じて整備費の一部を住宅事業者に支給されます。
① 設備の充実とコミュニティ形成などソフト面を重視した「アドバンストモデル」(住戸専有面積50m2以上)、
② 事業者の特色を生かし設備の選択が可能な「セレクトモデル」(同45m2以上)、
③ 子供の安全の確保に特化した「セーフティモデル」(同45m2以上)
補助率や補助上限額は区分や認定モデルにより異なり、例えば新築の賃貸住宅で「アドバンスト」の場合は、補助率5分の1、上限は200万円です。
また、分譲マンションの所有者を対象とする補助制度もあり、転落防止のための室外機の柵やベランダの窓の補助錠、指挟み防止機能の付いた扉への改修などの費用については、回収費用の3分の2、1戸につき30万円を上限に補助されます。
東京都は2023年度の予算案で、子ども関連予算に約1兆6000億円を計上し、そのうち「東京こどもすくすく住宅認定制度」による住宅整備を含む「子育て世帯に配慮した住宅の供給促進」として、前年度予算わずか900万円から3億2500万円を計上しています。東京都が子供転落事故死を重く受けとめていることが分かります。小池都知事の本気度が見えます。
一方大阪市には、“子育てに配慮した仕様”と“子育てを支援する環境”を備えた良質な新築マンションとして、大阪市が認定する「大阪市子育て安心マンション認定制度」というものがあります。この認定基準には、次の5つの視点で、住戸専用部分、共用部分、周辺環境などに関する項目を定められています。
1.快適で安心
2.安全で安心
3.便利で安心
4.楽しくて安心
5.いろいろ安心
この制度は、新築マンションを対象としていますので、事業者が購入希望者にPRし、また大阪市ホームページで認定マンションの情報公開することで、購入希望者にとってはメリットがあると思いますが、東京都のように既存のマンションにおける子供の転落防止への対応補助制度も是非考えていただきたいと思います。