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携帯電話基地局の設置場所を貸し付けた場合の課税について

国税庁が、マンション管理組合の携帯電話基地局の設置場所を貸し付けた場合の課税上の取り扱いについて、注意喚起を図るように公益財団法人マンション管理センターと一般社団法人マンション管理業協会に依頼しており、それぞれのホームページに注意喚起が掲載されています。詳細は国税庁のホームページをご覧ください。
マンション管理組合が携帯電話基地局の設置場所を貸し付けた場合、その設置料収入は課税対象となるとの見解が示されています。その根拠は2つあります。1つは法人税法上、内国法人(人格のない社団等を含みます。)に対しては、各事業年度の所得について法人税を課することになっており、マンション管理組合(人格のない社団等又は公益法人等)に対する法人税は、収益事業から生じた所得のみに課されることになっており、もう1つは、マンション管理組合が賃貸借契約に基づいてマンション(建物)の一部を他の者に使用させ、その対価をを得た場合には、収益事業(不動産貸付業)に該当することです。
「収益事業」の定義については、法人税法第2条第13号に次のように規定されています。
販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいう。
つまり、①政令で定める事業、②継続して、③事業場を設けての3つの条件が揃っている場合には、収益事業とみなされ、その収入に対して課税されることになります。
①の「政令で定める事業」に関しても、次のように規定されています。
≪法人税法施行令第5条≫
法第2条第13号(収益事業の意義)に規定する政令で定める事業は、次に掲げる事業(その性質上その事業に付随して行われる行為を含む。)とする。
(政令で定める事業) 限定列挙で34業種
①物品販売業 ②不動産販売業 ③金銭貸付業 ④物品貸付業 ⑤不動産貸付業 ⑥製造業 ⑦通信業 ⑧運送業 ⑨倉庫業 ⑩請負業 ⑪印刷業 ⑫出版業 ⑬写真業 ⑭貸席業 ⑮旅館業 ⑯料理店業その他の飲食店業 ⑰周旋業 ⑱代理業 ⑲仲立業 ⑳問屋業 ㉑鉱業 ㉒土石採取業 ㉓浴場業 ㉔理容業 ㉕美容業 ㉖興行業 ㉗遊技所業 ㉘遊覧所業 ㉙医療保健業 ㉚技芸教授業 ㉛駐車場業 ㉜信用保証業 ㉝無体財産権提供業 ㉞労働者派遣業
一つ付け加えておきますが、ここに列挙されていない業は収益事業に該当しませんので、その業で得た収入に対しては課税されないことになっています。国税庁は2年前の平成24年2月に、マンション管理組合が駐車場を外部に貸し出した場合のその収入には課税されると文章回答を行いましたが、その根拠も同じです。駐車場業も31番目に限定列挙されていますので、外部に貸し出した分で得た収入だけ(一部例外があります。)を対象として課税されることになります。
今回、国税庁がマンション管理センターとマンション管理業協会に対して、注意喚起をおこなうように依頼していますが、これには何か意図がありそうな感じがしますので、申告漏れがないように十分注意してください。その他にも、自動販売機設置料収入、太陽光発電設備による電力売却収入にも課税されますので、これらの収入についても申告が必要となります。

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