マンション管理員不足
今年1月のトピックス欄で、「マンションの三つ目の老い」についての記事を掲載しましたが、この三つ目の老いの中で「管理員の老い」に注目した記事が、本日の東洋経済オンラインで紹介されていました。記事のタイトルは、『「マンション管理人」の人手不足がヤバすぎる』です。その内容を箇条書きでお知らせします。
・定年を迎える管理員の補充のため、1年前から募集しても応募がない。
・管理員の仕事には、「3K」(きつい、汚い、危険)のイメージが付きまとっている。
・時給を上げても、なかなか集まらない。
・物件に必要な管理員は、常に15%程度不足している。
・マンションの老朽化と住民の高齢化以外に、管理員の高齢化(三つ目の老い)が進んでいる。
・マンションの管理員は、60代の企業の管理職経験者が相場であったが、企業の定年延長及び再雇用制度で、その人達が管理員の雇用市場に現れなくなってきた。
・最近では、生活そのものをサポートし、「人の命を守る」役割まで担うようになっており、重責の割には待遇が低いため、なおさら募集がこない。
・大手管理会社では、採用開始年齢の上限を60歳から67歳にし、定年も65歳から70歳に引き上げるなどして、管理員の確保にあたっている。
・今までは、団塊の世代で支えられていたが、その世代も70代に達し、60代の人口自体も減っているため、ますます管理員が不足してくる。
以上のような内容ですが、東京都の都心5区の時給が今では1,200~1,300円であると書かれていましたので、大阪府の場合はどうなのかを、ハローワークの直近2週間の募集で調べてみました。雇用形態には、正社員とパートがありますが、まず正社員に関しましては、勤務日や勤務時間により勤務内容が違ってきますが、113,200円から160,000円でした。ちなみに平均は19物件で約135,000円です。次にパートの時給ですが、こちらの方は28物件で募集があり、最高は1,000円で、最低は883円でした。平均は941円です。
記事の中で、もう一つ気になった定年と再雇用の上限年齢ですが、これも調べてみました。あくまで応募時期においてですが、正社員とパートの両方の47物件中、定年では65歳が14物件で一番多く、次に70歳の13物件です。定年の年齢を定めていないのは9物件ありました。再雇用の上限年齢については、70歳までが16物件で突出して多く、定年を定めていないところは、再雇用の上限も定めていませんでした。同じ管理会社だと思いますが、75歳が上限の物件が2つあり、これが最も高い上限年齢です。
5年程前にも、同じように調べたことがありましたが、時給は800円から850円ぐらいだと記憶していますので、50円ぐらいは上がっていますし、募集もかなり増えているように思えます。