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共同住宅の再生技術の開発

 国土交通省の国土技術政策総合研究所は、「成熟社会に対応した郊外住宅市街地の再生技術の開発」について、平成30年度~令和4年度(2018年度~2022年度)の5年間かけて研究を進めています。
 研究では、郊外住宅市街地の現状と課題に、経年による高齢化、経年による住宅の老朽化、地域活力の低下などが挙げられており、再生の目標として、①安全・安心の確保、②多世代コミュニティの形成、③生活の質の向上を掲げています。そして、②の多世代コミュニティの形成のための検討課題の一つが「共同住宅の住戸の空間拡大等の改造」です。計画的に大量供給が行われた時期の住宅団地の部屋の広さは50㎡前後のものが多く、最近の部屋の広さと比較すると非常に狭いです。そのため、お子さんが大きくなってくる頃にはとても手狭になり引っ越される方が多くなり、空き家が多くなり住民の高齢化が進んでしまっています。それを解消するための一つとして、2戸を1戸にすることが考えられています。2戸を1戸にすれば100㎡の広さの部屋になります。その為の以下のような技術開発が研究されています。
①壁式構造建物の開口形成の可能性に係る構造安全性の評価法の開発
②構造特性に応じた開口形成の設計法(開口可能な位置・大きさ等)の開発
③開口形成により低下する構造性能を回復させる補強方法の開発
 UR都市機構が「ルネッサンス計画」の実証実験として2戸を1戸にした事例は知っていますが、分譲マンションで行われたことは耳にしたことはありません。公共賃貸の共同住宅でしたら計画的に出来ることは可能ですが、分譲マンションでは技術的に可能であっても計画的に行なうことにはハードルが高すぎます。空き家が何処に発生するのか、空き家があったとしても、その隣家の方が空き家を買い取って2戸を1戸にする気がなければできません。2倍の管理費と修繕積立金を払ってまで行うとは到底思えません。研究所は、管理規約の細則などでルールを決め、管理組合の承認のもとで構造的に一定の範囲で開口し、低下した耐力を補強により回復させるということを現在検討しているそうです。
 今後の研究の見通しについては、今年度は改造技術の実験を計画しており、来年度は積載実験を行う予定です。そして翌々年度にはそれらの実験データーを分析していくとのことです。

 詳細はこちらをご覧下さい。
「成熟社会に対応した郊外住宅市街地の再生技術の開発」 国土交通省

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