マンション高圧一括受電サービスの実態調査 その1
経済産業省が調査委託した株式会社富士経済の「平成26年度電源立地推進調整等事業(マンション高圧一括受電サービスに係る実態調査)」の報告書内容をお知らせしたいと思います。調査報告内容は大きく2つの項目があり、1つは「国内のマンション高圧一括受電サービスの普及状況」で、もう1つは「国内のマンション高圧一括受電サービスの実態」です。以下、お知らせする数値は平成26年に調査されたものですので、約5年経った現在とは違いがあることをご認識下さい。
高圧一括受電サービスの普及状況ですが、まず契約数(提供戸数)は次のとおりです。
平成22年度 119,500(既存:70,400 新築:49,100)
平成23年度 155,200(既存:95,300 新築:59,900)
平成24年度 207,300(既存:130,600 新築:76,700)
平成25年度 310,300(既存:202,900 新築:107,400)
平成26年度 439,200(既存:289,700 新築:149,500)
※平成26年度は見通し
次に高圧一括受電事業者数ですが、ニュースリリースやWEBサイトなどの公開情報で確認可能な事業者は36社(平成26年11月現在)で、平成25年度から平成26年度にかけて年間の新規参入事業者数が前年比倍増ペースで推移しています。
主な事業者として、次の事業者が掲載されています。
◆中央電力(高圧一括受電サービス業)
◆オリックス電力(高圧一括受電サービス業)
◆アイピー・パワーシステムズ(高圧一括受電サービス業)
◆長谷工アネシス(高圧一括受電サービス業)
◆NTTファシリティーズ(エンジニアリング業)
◆エフビットコミュニケーションズ(情報通信業)
◆日本電力(高圧一括受電サービス業)
◆ジュピターテレコム(情報通信業)
◆M・E・M(高圧一括受電サービス業)
◆あなぶきパワー&リース(高圧一括受電サービス業)
◆トーエネック(エンジニアリング業)
◆綜電(高圧一括受電サービス業)
◆ファミリーネット・ジャパン(情報通信業)
◆大和エネルギー(エネルギー管理事業)
◆東急コミュニティー(マンション管理業)
◆アルテリア・ネットワークス(情報通信業)
◆かんでんEハウス(住宅設備機器販売業)
上位3社で52.6%のシェアーとなっています。
今後の見通しとしては、新築マンションでは、高圧一括受電サービスが標準採用される物件が増えており、今後もこのトレンドは続くとしています。一方既存マンションでは、高圧一括受電サービスの導入対象となる50戸以上の分譲マンションの潜在市場は200万戸程度と言われているが、実際に需要が見込まれるマンションは一部に限られるとしています。平成28年に実施される小売全面自由化は、高圧一括受電サービス需要動向に影響を与えると見ており、既に小売全面自由化が実施されるまで導入を見送る動きが出てきており、全員合意が必要である既存マンションでは特に影響が出るものと予測しています。ただし、新築マンションについては、今後も増加していくと予測しています。今後の見通しは以下のとおりです。
平成27年度 568,000(既存:370,000 新築:198,000)
平成28年度 693,000(既存:445,000 新築:248,000)
平成29年度 801,000(既存:505,000 新築:296,000)
平成30年度 897,000(既存:555,000 新築:342,000)
平成31年度 981,000(既存:595,000 新築:386,000)
平成32年度 1,053,000(既存:625,000 新築:428,000)
次回は、2つ目のマンション高圧一括受電サービスの実態についての報告内容をお知らせしたいと思います。