タワーマンション独自の災害時自衛策が必要
「大阪800万人訓練」が本日実施され、午前11時03分頃の大阪府からの発信に続いて、各自治体から様々な緊急速報がスマートフォン等の携帯電話に発信されました。訓練をご存知の方は『災害・避難情報』を受信しても驚かなかったと思いますが、ご存じでない方は何事かとびっくりされたかと思います。毎年この時期に「大阪800万人訓練」に実施されますので、覚えておいてください。
9月1日は「防災の日」で、地震や津波などに備えた防災訓練が各地で行われました。今年は、1日が日曜日でしたので、防災訓練を実施した管理組合も多かったのではないでしょうか。
タワーマンションは地震に強いということで、自治体は災害時でも自宅に留まるように住民に呼びかけています。しかし、その呼びかけでほとんどの住民の方がマンション内に留まれば、災害時にエレベーターが動かない状態で停電や断水が続いた場合、特に高層階の住民の方への水や食料の調達が困難になるため、タワーマンションの管理組合では、その事態にどのように対処するかが真剣に検討されており、水や非常食を上層階にリレー方式で届ける計画などを立てたりしており、戸数の多いタワーマンション独自の自衛が必要かもしれません。
9月1日「防災の日」の日本経済新聞には、“防災の「今」を見る、「タワマン、備えの死角」”という記事が掲載されていました。概要は次のとおりです。
1.この10年でタワマン人口はどれくらい増加?
2005年は約99万人で、10年後の2015年は約197万人
この約197万人は、群馬県の人口に匹敵する
2.2019年以降も入居続々
首都圏では、2016年から2018年に58棟が完成し、
2019年以降も現時点で183棟が完成予定
3.タワマンの免震構造
耐震性についてはより厳しい検査があり、国の認定が必要
耐震や免震・制振機能を備える物件が多い
4.電気も水もない暮らし
自治体の指定避難場所は自宅に住めなかった人を想定
損傷しにくいタワマンの住民は在宅避難が基本
高層階の住民が難民になるため、十分な備蓄が必要
5.在宅避難の住民、タワマンの高さ足かせに
停電などでエレベーターが止まれば階段で上り下り
30階建てのマンションの階段数は約450段
6.電源復旧しても動かせない?
昨年の大阪北部地震では復旧に2日かかった
東京都内で同程度の被害があれば4日以上かかる
7.高層階でゴミ出しは困難に
エレベーターが止まるとゴミ出しも大変
東京都内のタワマンのゴミの量は10tトラック約42台分
8.トイレの水が流せない
排水管に損傷があれば、トイレの排水ができない
排水すれば上層階の汚水が下層階で逆流する危険性あり
9.船から燃料 自家発電に
東京湾沿岸マンション17棟の管理組合は合同で、
湾内に停泊する燃料タンカーと燃料供給協定を締結
詳細は、こちらをご覧ください。
防災の「今」を見る、タワマン、備えの死角