都道府県等の助言・指導及び勧告に関するガイドライン
国土交通省から、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律第5条の2に基づく助言・指導及び勧告に関するガイドライン」が発表されました。
令和2年に「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」が一部改正されましたが、改正されるまでは、国及び地方公共団体は、管理組合や区分所有者等の求めに応じて、必要な情報や資料を提供することを努力するようにと規定されていただけで、これだけでは管理不全マンションに対して何の効果も生まれませんでした。そのため、今回の改正では、法的根拠を規定して、将来的に周辺の住環境等に悪影響を引き起こす可能性のあるマンションの管理組合の管理者等に対して、都道府県等が法的根拠のもとで必要な助言・指導を行えるよう、場合によっては是正勧告できるよう規定されています。
今回発表されたガイドラインは、この改正内容にそって、都道府県等が管理組合への助言・指導及び勧告する際の実施方法や留意事項、また助言・指導の内容や勧告の具体的な措置内容がまとめられたものです。
都道府県等が助言・指導及び勧告を行う管理組合の主な判断基準の目安は、以下の事項に該当する管理組合で、勧告の場合には、下記のような勧告書が送付されることになります。
・管理者等が定められていない、集会(総会)が開催されていない
・管理規約が存在しない
・管理費と修繕積立金の区分経理がされていない
・修繕積立金が積みたてられていない
マンション管理計画認定制度とともに、来年春から、このガイドラインに沿って各都道府県が動き出すことになります。
※参考
<改正前>
(国及び地方公共団体の措置)
第五条 国及び地方公共団体は、マンションの管理の適正化に資するため、管理組合又はマンションの区分所有者等の求めに応じ、必要な情報及び資料の提供その他の措置を講ずるよう努めなければならない。
<改正後>
(管理組合等の努力)
第五条 管理組合は、マンション管理適正化指針(管理組合がマンション管理適正化推進計画が作成されている都道府県等の区域内にある場合にあっては、マンション管理適正化指針及び都道府県等マンション管理適正化指針。次条において同じ。)の定めるところに留意して、マンションを適正に管理するよう自ら務めるとともに、国及び地方公共団体が講ずるマンションの管理の適正化の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(助言、指導等)
第五条の2 都道府県等は、マンション管理適正化指針に即し、管理組合の管理者等(管理者が置かれていないときは、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等。次頁において同じ。)に対し、マンションの管理の適正化を図るために必要な助言及び指導をすることができる。
2 都道府県知事(市又は第百四条の二第一項の規定により同項に規定するマンション管理適正化推進行政事務を処理する町村の区域内にあっては、それぞれの長。以下「都道府県知事等」という。)は、管理組合の運営がマンション管理適正化指針に照らして著しく不適切であることを把握したときは、当該管理組合の管理者等に対し、マンション管理適正化指針に即したマンションの管理を行うよう勧告することができる。