バルコニーの避難ハッチと蹴破り戸(隔て板)
マンションのバルコニーには、避難経路のひとつとして「避難ハッチ」が設置されている。またこの経路を確保するために、「蹴破り戸」(隔て板、ベランダ隔て、仕切り板、パテーションとも呼ばれている)がバルコニーの戸境に設置されており、どちらも緊急時の避難には大事なものである。
◆ 「避難ハッチ」の使い方はとても簡単で、まず避難ハッチの扉を開け、はしごを降ろし、そしてゆっくりと下の階へ降りればよい。言葉で説明すると本当に簡単なようであるが、実際の緊急時に落ち着いてできるかどうかである。「避難ハッチ」のはしごには、“スライド式”と“パンタグラフ式”の主な2種類があり、はしごの向きについても、建物側を見ながら降りる“内向”や外を見ながら降りる“外向き”、さらに“横向き”などがあり、自治体によって設置ルールが設けられている。
◆ 次に「蹴破り戸」であるが、左右どちらの戸を蹴破ればよいのか。「蹴破り戸」に、“非常の時は、ここを破って隣戸へ避難できます”、“避難のため、ここには物を置かないでください”と書かれてある方向が、階下へ避難するための避難器具のある場所につながっている。反対に、書かれていない方は隣戸から避難してくることになる。蹴破る面を確認したら今度は実際に破るのであるが、当然靴を履いた足でも良いが、タオルや布を巻いてげんこつにした手でも構わないので、ボードの下側を数回強く蹴ったり叩けば割れる。打ち破るとギザギザになっているので、危険な鋭利な角はさらに打ち破って人が通れるくらいの大きさまで穴を開けて、そしてそこから逃げればよい。