民泊条例案が大阪府議会で可決
益々増加する外国人旅行者の宿泊施設を確保するため、マンションなどの空室を活用する「民泊」の条例案が、27日の府議会本会議で、大阪維新の会や自民、公明両党などの賛成多数で可決されました。民泊条例制定は全国では初めてで、来春にも施行されます。東京大田区では本年12月の議会で同様の条例を制定し、来年1月には施行する予定で、施行されれば同区が全国初となります。
「民泊」とは、個人が住宅の空室などを用いて宿泊を提供するサービスのことで、このサービスを利用できる「Airbnb]というウェブサイトがあり、利用者が急増しています。2008年に米国で始まった旅行者とホストを結びつける宿泊形態で、同サイトには世界192か国・地域の3万4000以上の都市のホストが登録しており、昨年には日本法人も発足し、今年8月現在、全国で約1万3000の部屋が登録されているそうです。しかし、このようなサイトを利用して個人が反復継続して部屋を貸すことは、旅行業法に抵触する可能性があります。今回の条例制定は、2020年の東京オリンピック開催を見据えて、一部で合法化されたものでしょう。
民泊条例が施行されれば、分譲マンションにも様々な問題が発生することが予想されます。あるサイトが調査したアンケート結果によりますと、「自宅を有料で貸し出すサービスを利用してみたいと思いますか?」の問いに対しては、「自宅を貸してみたい」は6.8%、「誰かの自宅を借りてみたい」は9.6%で、ほとんどの人が「利用したくない」と答えています。また、「ホテルの代わりとして有料で外部の方に貸し出すことについて、どのように思いますか?」の問いに対しては、「個人の所有する専有部分を活用するだけなので、個人の責任で自由に行って問題はないと思う」が6.6%、「マンションの規約などのルールを決めたうえで行うのであればいいと思う」が20.6%で、約3割の方が肯定的のようですが、「セキュリティ面など、住民以外の人がマンションで宿泊したり生活することには不安があるので反対したい」が44.1%、「マンションの規約などで貸し出しできないようにすべきだと思う」が14.6%と約6割の方が否定的です。ルール作りが必要であるとの考えは、肯定派でも否定派でも一緒のようです。
実はこのルール作り(シェアリング禁止も含無。)をすでに行ったマンションがあります。それは、東京都江東区有明にあるブリリアマーレ有明という超高層マンション(33階建て1085戸)で、公式サイトでは管理組合の運営についての情報が掲載されています。
ブリリアマーレ有明公式サイト http://bma33.com/
シェアリング禁止条項はこちらです。
なお今回の外国人滞在施設経営事業の主な内容は下記のとおりです。
・最低滞在日数は7日間
・居室は床面積25平方メートル以上
・大阪府の条例では独自の保健所を持つ6市(大阪、堺、高槻、東大阪、豊中、枚方)以外の37市町村が対象
・治安対策で滞在者名簿を義務化、旅券確認など
・近隣住民への事前説明、苦情窓口を設置
・要件確認のため立ち入り調査
・年度ごとに対応状況を検証する
・日本人の滞在も可能