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機械式立体駐車場の安全を確保するための指針

国土交通省は28日に、機械式立体駐車場の安全を確保するための指針を発表しました。
2007年8月から2014年2月までに立体駐車場で起きた死傷事故は26件あり、そのうち10人が死亡、16人が重傷を負っています。機械操作での事故が一番多くて11人、次に
乗降・歩行時に落下又は転落が6人です。そして発生場所はマンションが一番多くて50%で、幼い子の命がなくなるという痛ましい事故が発生しています。また、死傷者が出ていない事故案件145件の発生場所をみても、驚くことに約4割がマンションの立体駐車場です。
指針は、駐車場利用者、メーカー、マンション管理者、デベロッパーなどの開発会社別に注意すべき内容を示しています。
≪利用者≫
・駐車場内に人がいないことを目視で確認
・運転者以外は原則、駐車場の外で乗り降りする
・子供から目を離さない
≪メーカー≫
・人が転落するような隙間を作らない
・緊急停止ボタンを設置
≪マンション管理組合や管理会社≫
・住民に操作方法を説明した上で使用させる
・1~3か月に一度は専門技術者が点検
国土交通省、消費者庁、そして立体駐車場工業会が連名で「注意喚起チラシ」を作成していますので、マンションの立体駐車場利用者の方に是非広報していただきたいと思います。チラシは国土交通省のホームページに掲載されています。
また昨年の11月には「機械式立体駐車場の安全対策検討委員会」が設置され、安全対策のあり方について、関係業者へのヒアリングを実施しています。
国土交通省のホームページから抜粋した内容が以下のとおりです。
≪一般社団法人マンション管理業協会≫
・マンションの機械式立体駐車場は、利用者自ら操作する使用形態である点で、危険性が内在
・マンションで普及している二・多段式の機械式駐車装置は、(センサーが設置される)エレベーター式と異なり、内部の無人確認は利用者の目視に頼らざるを得ない。内部の人を自動検知できるタイプのものが、マンションで普及することに期待
・メンテナンス不足等に起因して事故が発生した場合、管理組合と管理会社・メンテナンス業者の契約関係により責任の所在が明らかになる一方、利用者の不注意に起因して事故 発生した場合、責任の所在は必ずしも明確でない
・機械式駐車装置の構造・設備が要因となって事故に至るケースについては、設置段階から安全対策が講じられるべき
≪一般社団法人日本マンション管理士会連合会≫
・都心部や駅近のマンションでは自動車の保有率が低下しており、機械式立体駐車場も利用率が低下している
・機械式立体駐車場の老朽化対策(維持・更新費や撤去費の確保)について、管理組合の合意形成が難しいケースが多い
≪特定非営利活動法人全国マンション管理組合連合会≫
・機械装置自体の安全性を高めていかなければ、事故の再発防止には繋がらない
・マンションに設置された機械式駐車装置については、一般利用者が操作することを前提と して、セーフティネット(センサー等)を設計段階から組み込むべき
・安全性を担保するためには法規制が必要であり、新規施設はもとより、既存施設についても義務付けを検討すべき。但し、既存施設については設置者のコスト負担を軽減するための助成制度が必要
・事故情報等の収集・開示により、利用者の安全意識を高めていくことも重要
・業界全体として長期的なメンテナンス体制の構築が必要であり、そのためには制御システムや部品の互換性確保も必要

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