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「管理業者管理者方式」導入の管理会社

 新築分譲マンションを対象とした「予備認定制度」を申請したマンションで、「管理業者管理者方式」を導入している新築マンションが多くなってきていること、また既存マンションにおいても「管理業者管理者方式」が導入され始めていることをお話しましたが、実際に管理者となる管理会社はどこなのかを、ネットで公表されている範囲で調べてみました。
 調べられた範囲内で公表している管理会社は以下のとおりです。

*大和ライフネクスト
*長谷工コミュニティ
*日本ハウズイング
*合人社計画研究所
*穴吹ハウジングサービス
*三井不動産レジデンシャルサービス
*阪急阪神ハウジングサポート
 
 阪急阪神ハウジングサポートは先月29日にプレスリリースしたばかりで、「ジオ練馬富士見台」の他、現在販売中の「ジオ板橋浮間舟渡」、「ジオ市谷仲之町」、「ジオ横 浜大通り公園」、「ジオ阪急川西 The Front」での導入を決定しています。
 大和ライフネクストは、「TAKSTYLE(タクスタイル)」という名前で管理業者管理者方式のサービスを展開しています。特徴として、自社が管理受託しているマンションに限定せず、他社が管理を受託しているマンションにも対応することです。これを明示しているのは、私が知っているかぎり大和ライフネクストだけです。
 長谷工コミュニティは、「smooth-e(スムージー)」とういう管理受託サービスで、smooth-eのWebアプリで住民の意見を聴収する、そして多い意見に関してはその都度Webアプリで投票して実施していくというものです。
 日本ハウズイングは、管理組合ごとに作成されたホームページ に報告書がアップロードされ、住民が必要な情報をいつでも確認できるサービスです。
 合人社計画研究所は、一早く1990年代から「管理業者管理者方式」を導入した管理会社で、昨年8月時点で導入している管理組合は1645組合です。現在、「管理業者管理者方式」の問題点等が専門家により検討がなされていますが、それ以前に合人社計画研究所が導入していた方式内容には多々問題があり、是正が求められています。例えば、管理者を管理業者(合人社計画研究所)とするという内容の管理規約に変更されたため、規約変更の困難さで元の理事会運営に戻せなくなってしまっていることなどがあります。
 この「管理業者管理者方式」の導入の際には、メリットとデメリットを十分に理解した上で検討し、住民皆様の合意形成が必要です。
 昨年6月に国土交通省から「管理業者管理者方式ガイドライン 」が公表されおりますので、導入を検討される場合には、是非参考にしていただきたいと思います。特に96頁以降には、管理者により適正な業務遂行の確保・組合財産の保護のための措置、つまり管理組合と管理者間の利益相反をいかにして防止するのかが、次の項目で記載されています。

管理者の権限の制限
利益相反取引等管理組合の利益を損なう行為への対応
管理者に対する監視・チェック体制
管理者の解任を可能としておくための措置

 そして、③では次のように述べられています。
「このような点を踏まえると、外部管理者方式の場合、管理者の業務執行に対する適切な監督の必要性や難易度が高く、職務上、マンションの管理に関して一定の専門的な知見が必要とされることから、監事のうち少なくとも1人は、外部専門家(マンション管理士、弁護士、公認会計士等)から選任することが望ましいと考えられます。外部管理者方式を採用する場合は、監事業務の外部委託に係る経費が発生することも見込んでおくことが望ましいと考えられます。加えて、区分所有者からも監事を選任することが望ましいと考えられます。」とあります。
 今後、私たちマンション管理士は、「管理業者管理者方式」を導入されたマンションでの監事就任が要望されることが多くなり、その責務はとても重大となってきます。理解していただいていると思いますが、ここで言うマンション管理士は、管理会社の社員であるマンション管理士ではないことにご注意してください。
 監事の役割には、①業務執行の監査と、②財産状況の監査とがあります。財産の状況監査ができても管理組合の業務執行状況の監査ができなくてはなりませんので、この2つの監査ができるマンション管理士が最も適任だと思われます。
 「管理業者管理者方式」を導入をされる場合には、マンション管理士に監事就任をご用命していただければと思います。
 また、2025年1月20日に外部管理者方式等及びマンション管理士制度の普及、周知を目的として、「日管連管理組合サポートセンター(NKS)」が設立されましたので、「管理業者管理者方式」導入の際には是非ご利用していただきたいと思います。
 なお、当方はNKS の認定マンション管理士で、管理組合と管理会社との関係から見ると利害関係の無い「第三者」です。

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