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マンション標準管理規約の改正概要(2)

 マンションの管理の適正化の推進に関する法律とマンションの建替え等の円滑化に関する法律が昨年6月に改正されましたが、それを踏まえた内容にマンション管理規約が改正されました。改正された主な箇所と内容は以下のとおりです。
・マンション敷地売却決議を目的とする総会の招集手続きにおいて、議案の要領のほか通知する事項が、従来は耐震改修又は建替えをしない理由でしたが、次のように、より細かく分類して通知する事項を第43条第6項に規定しています。
①耐震性不足として特定要除去認定に該当する場合には、耐震改修又は建替えをしない理由と耐震改修に要する概算費用額
②火災に対する安全性不足として特定要除去認定に該当する場合には、火災に対する安全性向上のための改修又は建替えをしない理由と安全性向上の改修に要する概算費用額
③外壁剥落により周辺に危険を及ぼす恐れがあるとして特定要除去認定に該当する場合には、外壁等の剥離・落下防止を目的とする改修又は建替えをしない理由と外壁等の剥落防止を目的とする改修に要する概算費用額
・第48条の総会の議決事項に、①管理計画の認定・更新・変更の申請と、②要除去認定の申請が追加されました。また、コメントには理由が触れられていませんが、議決事項の順番が次のように大きく変わっています。
一号(旧四号)  規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止
二号(旧十三号) 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法
三号(旧一号)  収支決算及び事業報告
四号(旧二号)  収支予算及び事業計画
五号(旧五号)  長期修繕計画の作成又は変更
六号(旧三号)  管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法
七号(旧八号)  修繕積立金の保管及び運用方法
八号(新設)   上記①の内容
九号(旧九号)  第21条第2項に定める管理の実施
十号(旧六号)  第28条第1項に定める・・・・・修繕積立金の取崩し
十一号(旧十号) 区分所有法第57条第2項・・・・・提起すべき者の選任
十二号(旧十一号)建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
十三号(新設)  上記②の内容
十四号(旧十二号)区分所有法第62条第1項・・・・マンション敷地売却
十五号(旧七号) 第28条第2項・・・・・修繕積立金の取崩し
十六号(旧十四号)組合管理部分に関する管理委託契約の締結
十七号(旧十六号)その他管理組合法人の業務に関する重要事項

特定要除去認定の内容について少し触れておきたいと思います。昨年のマンションの建替え等の円滑化に関する法律の改正時に、要除去認定の対象が従来の耐震性不足以外に次の4つが追加されました。
①火災に対する安全性が不足するもの
②外壁剥落により周辺に危険を生ずるおそれがあるもの
③給排水等の配管設備の劣化により著しく衛生上有害となるおそれがあるもの
④バリアフリーに問題があるもの
ここで注意していただきたいのが、敷地売却決議の対象となるのは、従来の耐震性不足の場合と①②の場合(特定要除去認定)だけで、③と④は容積率緩和ができる対象(要除去認定)となっていますが敷地売却決議の対象にはなっていません。従いまして、③と④に場合については第43条第6項に規定されていません。

<参考>
マンション建替円滑化法の改正条文(除却の必要性に係る認定関係)
(除却の必要性に係る認定)
第百二条 マンションの管理者等(中略)は、国土交通省令で定めるところにより、建築基準法(中略)に規定する特定行政庁(中略)に対し、当該マンションを除却する必要がある旨の認定を申請することができる。
2 特定行政庁は、前項の規定による申請があった場合において、当該申請に係るマンションが次の各号のいずれかに該当するときは、その旨の認定をするものとする。
一 当該申請に係るマンションが地震に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは 条例の規定に準ずるものとして国土交通大臣が定める基準に適合していないと認められるとき。
二 当該申請に係るマンションが火災に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは 条例の規定に準ずるものとして国土交通大臣が定める基準に適合していないと認められるとき。
三 当該申請に係るマンションが外壁、外装材その他これらに類する建物の部分(中略)が剝離し、落下することにより周辺に危害を生ずるおそれがあるものとして国土交通大臣が定める基準に該当すると認められるとき。
四 当該申請に係るマンションが給水、排水その他の配管設備(その改修に関する工事を行うことが著 しく困難なものとして国土交通省令で定めるものに限る。)の損傷、腐食その他の劣化により著しく衛 生上有害となるおそれがあるものとして国土交通大臣が定める基準に該当すると認められるとき。

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