マンション管理士試験の受付がいよいよ始まります
マンション管理士という国家資格は2001年に創設されました。高経年マンションが増加し、それとともに、居住者の高齢化や管理組合活動への無関心、役員のなり手不足などの諸問題が増加し、適正な管理が行われていない管理組合が増え続けてきたため、そのような管理組合を支援、援助のために創設されたのが、この国家資格です。
第1回の試験は2001年(平成13年)に行われ、受験者は96,906人で、7,213人が合格しています。その後、3,719人、3,021人、2,746人と2018年(975人)まで減り続けました。その後微増し、昨年度は1,238人でした。マンション管理士試験の合格は、合格基準の点数があるわけではなく、受験者の8%前後(最低7.0%、最高で9.9%)が合格ラインとなる相対評価となっていますので、合格者数が少ないということは、受験者数もかなり減ってきているということです。それでも、昨年までに39,821人が合格しています。
マンション管理士の資格は、「業務独占資格」ではなく「名称独占資格」ですので、マンション管理士と名乗るためには、国土交通省に登録する必要があるのですが、2022年6月時点で登録された方は27,191人です。これは合格者の約68%です。また、日本マンション管理士会連合会所属の管理士会(各都道府県に1つ)に入会しているマンション管理士は1,640人(2021.12時点)で、これは登録者数のたった6%程度です。もちろん日本マンション管理士会連合会所属の管理士会ではない団体に所属しているマンション管理士の方や、どこの組織にも所属せずに業務に携わっているマンション管理士の方はおられますが、その人数はしれているものと推測します。たとえ、日本マンション管理士会連合会所属の管理士会に所属しているマンション管理士と同数としても、少しでも業務に従事しているマンション管理士は、約3,000人程度しかいないというのが現状なのです。
一人のマンション管理士が支援できる管理組合の数は10程度で、それ以上をこなすのは不可能です。時間的にも無理ですし、それ以上こなしてしまうと業務が雑になってしまいます。ずいぶん前までは、管理会社の担当者が15~20組合を担当していた無茶な時代がありましたが、同じ理由で、今はたいてい8組合前後の担当となっています。上記3,000人のマンション管理士全員が10組合支援できるとは到底考えられません。本業の片手間に業務をしているマンション管理士の方や、組織に属しているだけで業務に全く携わっていないマンション管理士の方もおられます。たとえ平均して1人3組合としても、約1万の管理組合(全国では約10万と思われる。)しか支援できません。これも希望的観測数値です。今後、支援を要する管理組合が増え続けるのは間違いないことで、この要支援管理組合の数に支援できるマンション管理士の数が追いつけられていないのが現実です。むしろ、どんどん離されていっているような気がします。実務のできるマンション管理士の数が全く足りていないのです。
ここ2,3年、受験者数が少し増えているのはコロナ禍の影響ではないかと言われていますが、今年も受験者数が増えて合格者数も増えて欲しいと思います。
勿論、合格者の数ではなく、管理組合の支援ができる実践マンション管理士が増えることが一番です。今年のマンション管理士の試験日は11月27日(日)で、いよいよ、今週木曜日の9月1日から申し込みの受付が始まります。
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