信頼できる大阪のマンション管理士事務所

マンション管理士事務所JU

分譲マンションの機械式駐車場受注で談合


 公正取引委員会が、昨日27日に駐車場設備メーカーと代理店の計6社に対して独占禁止法違反を認定しました。
 認定を受けた6社とは、新明和工業(兵庫県宝塚市)、住友重機械搬送システム(東京都品川区)、IHI運搬機械(同中央区)、日精(同港区)、日本コンベヤ(同千代田区)のメーカー5社と住友の代理店(フジパスク)1社です。IHI運搬機械を除く5社に排除措置命令、IHI運搬機械、日本コンベヤを除く4社には約5億2千万円の課徴金納付命令も出すようです。IHI運搬機械は立ち入り検査の前に、自主的に公取委に談合があったことを申告したため、課徴金減免制度(リーニエンシー)により課徴金納付を免れる見込みです。
 6社は遅くとも2017~18年以降に、大手ゼネコンが発注するマンションやビルなどの機械式駐車場の見積もり合わせで、事前に各社の担当者が連絡を取り合って受注する会社と価格を調整していたようです。大手ゼネコンからの値下げ圧力に対抗するため、談合に至ったと思われます。ちなみに、機械式駐車場の市場規模は約300億円で、違反認定を受けたメーカーが国内シェアの大半を占めています。
 エレベーターメーカーも、独占禁止法に違反しているかどうかは別にして、大手ゼネコンからの値下げ圧力は同じようにあると思われます。以前、エレベーター関係者から話を聞く機会がありました。その時の話では、各エレベーターメーカーの営業マンは、過剰な接待攻勢と安価な見積金額で新築マンションのエレベーター設置の受注を取り合っていると。そうして競争に勝って受注した結果、受注したメーカーはそのあとのメンテナンス費用や修繕費用を割高にして、今までの先行投資分を取り返していくと。また、他社のエレベーターの更新時には、絶対に手をださない。見積を依頼されても高い見積金額を提出することが、暗黙の了解のようです。何故なら、お互い、折角汗水たらして努力して勝ち取った物件だからです。
 エレベーターのメンテナンスに関しては、昨今、独立系メンテナンス会社に変更されて費用削減をされている管理組合様は多くなったと思いますが、垂直循環方式などのタワー式駐車場については、上記の会社が独占しており、部品供給の困難さもあって独立系メンテナンス会社が少ないのが現状です。それでも、エレベーターの大手独立系会社の中にはタワー式駐車場も対応してもらえる会社がありますので、タワー式駐車場を導入されている管理組合様は、割高なメンテナンス料金をそのまま受け入れるのではなく、一度検討してみても良いのではないでしょうか。

ページトップ