平成28年度 マンション管理業者への全国一斉立入検査結果
国土交通省が毎年実施しているマンション管理業者の立入検査の結果が、昨日発表されました。今回の検査は141社(平成28年度末現在全国で2,131社のうち)が対象で、平成28年10月から約3ヶ月にわたって実施されました。検査内容は毎年同じで、「管理業務主任者の設置」、「重要事項の説明等」、「契約の成立時の書面の交付」、「財産の分別管理」、そして「管理事務の報告」の5項目です。
この検査の目的は、平成13年8月に施行されたマンションの管理の適正化に関する法律(適正化法)に係る法令の遵守状況について検査を行い、必要に応じて是正指導等を実施することで、マンション管理の適正化を推進することです。今回は64社(昨年度51社)に対して是正指導が行われ、その割合は45.4%(昨年度37.8%)でした。過去5年間の平均が42.3%ですので、ほとんど改善されていないようです。今回の適正化法の条項ごとの指摘該当者数は下記のとおりで、( )内の数は、平成23年度の検査結果です。
管理業務主任者の設置(法第56条関係 ) 1社( 4社)
重要事項の説明等(法第72条関係) 51社(59社)
契約の成立時の書面の交付(法第73条関係) 29社(30社)
財産の分別管理(法第76条関係) 21社(30社)
管理事務の報告(法第77条関係) 20社(16社)
※ ( )内の数は、平成23年度(検査対象は148社)検査結果
是正指導事項別で見てみますと、相変わらず「重要事項の説明等」が一番多く、5年前と数はほとんど変わりません。平成21年5月に省令で改正された「財産の分別管理」や「管理事務の報告」については、数は少しだけ減ってはいますが、改正内容の理解不足が依然として見られる結果となっているようです。
この結果を踏まえて国土交通省はマンション管理業協会に対して、社員であるマンション管理会社に対する法令順守の徹底を図るための研修活動等の実施を求め、その実施結果の報告を要請しています。