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真空ガラス/スペーシア

昨日、SIIの住宅省エネリノベーション促進事業をご紹介させていただきましたが、その事業の補助対象となっている商品の説明を聞く機会がありました。
その商品は、日本板硝子株式会社の「スペーシア」で、複層ガラスをより改良したガラス商品です。
複層ガラスは、名前のとおり2枚のガラスでできており、ガラスとガラスの間に空気層を挟むことによって断熱効果を生んでいます。この空気層の幅は6mmで、ガラス1枚の厚さがそれぞれ3mmですので、複層ガラス自体の厚さは12mmとなっています。
「スペーシア」は、この空気層を真空にすることにより、ガラスとガラスの間をたったの0.2mmにすることができ、複層ガラスと比較して、約2倍の断熱性と約20%のエネルギーの削減を可能にしたそうで、一般の1枚ガラスとの比較では、約45%のエネルギーを削減できるそうです。また、結露を防ぎ、遮音効果にも優れているとのことです。
この商品の一番の特徴は、性能はもちろんですが、ガラス自体の厚さだと思います。先程の真空層の幅は2mmですので、ガラス自体の厚さは、3mm+0.2mm+3mmの6.2mmとなります。この厚さが非常に重要で、複層ガラスは、1枚ガラス用のサッシでは対応できないため、アタッチメント付きで対応しなければならなかったのですが、「スペーシア」は1枚ガラス用のサッシでも対応でき、ガラスのみの交換で済むということらしいです。
マンションの3LDKのお部屋で「スペーシア」に交換すると、50万円程の費用がかかるということをお聞きしましたので、今回のSIIの促進事業の補助制度を利用すれば、約30万円前後の交換費用となります。省エネ等でガラスの交換をお考えの方には、この補助制度は朗報だと思われます。
一方、ガラスの一斉交換の実施をお考えのマンション管理組合では、難点がいくつかあるように思えます。たとえば50戸のマンションで一斉交換する場合、補助制度を使っても1500万円程(30万円×50=1500万円)の交換費用となり、当然この費用を捻出するためには、修繕積立金を取り崩すことになりますので、総会の決議が必要となります。ガラス交換のみで約1500万円の工事を、総会で承認してもらえるかどうかが、まず一つ目の難点です。
大規模修繕工事の際に一緒に実施することにすれば、費用の割高感はかなり薄れるとは思いますが、大規模修繕工事で一緒に実施するとしても、今年の秋に実施を予定しているマンションの管理組合しか、今回の補助制度は使用できません。もちろん来年も同様の補正予算が組み込まれるかもしれませんが、これが二つ目の難点です。
どちらにしても、この補助制度を利用すれば割安な費用で交換できることは間違いありません。ただし、申請したすべての方に補助されるわけではありませんので、ご注意ください。
詳しくはこちら ☞ 真空ガラス/スペーシア
        ☞ 住宅省エネリノベーション促進事業費補助金

(メーカーからの注意事項)

スペーシアはLow-Eガラスを使用している為、透明タイプでも普通のガラスよりややブルー系の色調に見えます。集合住宅の場合、ガラスも壁の一部(共用部分)とみなされる為、許可なしで交換が出来ない場合があります。その理由は、太陽光が反射した時の色の違いが他の窓と異なり、外観に差が出てしまうからです。通常のガラス修理と違い、スペーシアへの交換の際は、管理組合又はオーナー様の許可を頂くようになります。

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