集合住宅デジタル高度化協議会の設立について
集合住宅のインターネットを中心としてデジタル高度化を推進し、居住者が利用しやすいインターネット環境が整備されるようにするため、D.U-NET、NTTメディアサプライ、イッツ・コミュニケーションズ、ギガプライズ、つなぎネットコミュニケーションズ、ファミリーネット・ジャパンが発起人となり、一般社団法人「集合住宅デジタル高度化協議会」が設立されました。
設立された背景には、現代生活においてインターネットはなくてはならないものになり、人々の生活スタイルが大きく変貌したことがあります。新型感染ウィルス(コロナ)の発生により、マンションでは理事会や総会の開催のためにインターネット環境の整備が必要になってきました。しかし、既存のマンションでは施工の難しさやお金の問題もあり、古い方式のインターネット環境を思うように改善できない現状があります。そのため、協議会では、集合住宅のデジタル環境高度化に係る諸事業の企画、立案及び実施、集合住宅のデジタル環境高度化に関する啓発及び広報事業、そして集合住宅を中心とした日本のインターネット普及推進に向けた政策提言事業等の活動を行っていくとのことです。
理事長には東京大学大学院の江崎浩教授が就任しており、以下のような挨拶をされています。
<理事長挨拶>
インターネットとデジタルの利用がすべてのわれわれの生活に必須な存在となり、「快適なインターネット環境は、すべての人にとっての基本的人権」と捉えられるようになってきました。これまでの、「アナログを前提とした環境」の象徴であった「電話サービス」の提供をNTTに対して要求するユニバーサルサービス規定は、根本的に見直され、オンライン会議などがストレスなく可能となる数十Mbpsの「ブロードバンド インターネットサービス」がすべての日本国民に提供されなければならないユニバーサルサービスとなりました。これは、コロナ禍を契機に、働き方改革や教育のデジタル化が早回しで展開されることになり、家庭のインターネット環境の整備が必須となったことにも起因しています。すなわち、集合住宅にお住まいになられている働き盛りのみなさまだけではなく、就学中・就学前の若年層のみなさま、さらにシニア層のみなさまを含めた、“すべて”のみなさまの生活の品質向上のために、快適なインターネット環境が提供されなければなりません。
個人宅では、快適なインターネット環境は、個人が要求すれば比較的容易に実現可能です。しかし、集合住宅においては、さまざまな解決しなければならない課題が存在する場合が少なくありません。特に、既築の集合住宅においては、光ファイバーケーブルの敷設、あるいは、施設工事に関する集合住宅の理事会および住民の皆様の間での合意形成などが典型的な難題となっています。一方、新築の案件では、将来のインターネット環境のアップグレードを考慮した設計施工、さらに竣工後の運用管理体制の整備などの課題が存在します。
集合住宅デジタル高度化協議会は、このような集合住宅における快適なインターネット環境をすべての住人の皆様が利用できるために必要な、技術や仕組みに関する情報の提供、あるいは国や自治体など、関連組織への提言等を、専門家のみなさんと協力して検討・提案させていただければと考えています。
“Comfortable Internet for Everyone”、快適なインターネット環境を集合住宅でお暮しのすべてのみなさまが利用可能となり、快適な生活を実現・継続されることを目指します。