高知市マンション管理適正化推進計画について その2
第2章「現状と課題」を見てみます。高知市のマンションの状況について、まず高知市の人口自体を見ますと、増加が続いたのは2005年までで、その後は減少し続けており、2020年の国勢調査では326,545人です(世帯数については、1世帯あたりの平均人口の減少により、現在も微増)。15歳から64歳までの生産年齢人口は他の地方都市と同じように減り続けており、65歳以上は30.3%を占めています。2045年には、その割合は39.3%、約4割になると予想されています。もちろん人口は減り続けていますので、少子高齢化に拍車がかかりそうです。
それでは、マンションはどうかといいますと、高知市のマンションは225棟、12,537戸です。昨今、建設戸数が減っていますので、戸数は微増の状況です。現状では、築30年~39年のマンションは2,637戸(21.0%)、築40年~49年は893戸(7.1%)、築50年以上は22戸(0.2%)で、高経年マンションとなる予備軍の築20年~29年(3,745戸、29.9%)が2045年には築40年を超えますので、その時には、高知市内のマンションの半数以上が築40年以上となると思われます。
次にマンションの管理実態はどうかを見ますと、高知市が令和5年2月に実態調査のためのアンケート(225棟中145棟の回答あり)を実施しており、そのアンケート調査の結果は以下のとおりでした。
① 総会の開催状況
年1回 142棟(97.9%)
年2回 2棟( 1.4%)
非開催 1棟( 0.7%)
② 居住者名簿の有無
あり 141棟(100%)※うち53棟は年1回の名簿確認なし
なし 0棟( 0%)
③ 組合員名簿の有無
あり 142棟(100%)※うち60棟は年1回の名簿確認なし
なし 0棟( 0%)
④ 管理費の徴収
あり 145棟(100%)
なし 0棟( 0%)
⑤ 修繕積立金の徴収
あり 143棟(100%)
なし 2棟( 1.4%)
⑥ 長期修繕計画の有無
あり 127棟(88.8%)
なし 16棟(11.2%)※そのうち作成予定は7棟
⑦ 過去の大規模修繕工事の実施の有無
あり 107棟(73.8%)
なし 38棟(26.2%)※築19年以下36棟、その他2棟
⑧ マンションの維持管理や管理運営における課題や不安な点
*役員の担い手不足 57棟
築年数 ~10年 4棟
~20年 17棟
~30年 18棟
~40年 8棟
40年以上 10棟
*居住者の高齢化
~10年 1棟
~20年 14棟
~30年 20棟
~40年 10棟
40年以上 12棟
*空住戸の増加
~10年 0棟
~20年 0棟
~30年 0棟
~40年 0棟
40年以上 5棟
*修繕積立金の不足
~10年 4棟
~20年 18棟
~30年 12棟
~40年 5棟
40年以上 7棟
アンケートの未回答マンションは80棟あります。アンケートを出されたマンションは、マンション管理に対して関心が高く管理組合の運営もしっかり行われていると思われますので、上記のような結果となっていますが、アンケートを回答しないマンションは、管理組合の運営が停滞している可能性があり、ある意味管理不全のマンションの恐れがありますので、すべてのマンションが把握できた場合には、上記の結果は大きく変わる可能性があります。
課題としては、今後増え続ける高経年マンションが管理不全にならないように、適時適切な修繕が行えるように、長期修繕計画の見直しと修繕積立金が不足しないような金額設定を適時行うことで、それを可能にしやすくするための管理組合運営ができるようにしなくてはならないことです。
次回は、第3章「基本施策と目標」です。