9月15日は「ニュータウンの日」
今日9月15日は、千里ニュータウン(大阪府吹田市、豊中市)が街びらきしてから60年です。
千里ニュータウンは千里丘陵にあり、事業開発面積約1,160ha、計画人口15万人、事業完了時の住宅建設件数が40,120戸と、当時のニュータウンとしては日本最大級の規模を誇り、開発開始後の1963年に制定された新住宅市街地開発法が初めて適用され、その後の多摩ニュータウン(東京都)や港北ニュータウン(横浜市)など各地のニュータウン開発に大きな影響を与えています。
12の住区に区分され、それぞれに地区センターをはじめ、幼稚園・保育園・小学校、診療所、街区公園などが計画的に配置されました。また、住区のなかには一戸建てだけではなく、集合住宅(公的賃貸住宅)や社宅など違うタイプの建物が混在しており、多くの方々が入居しやすいように環境が整備され当時としては画期的なものだったそうです。そして今日、開発から60年を迎えました。
千里ニュータウンでは1990年頃から高齢化がすすみはじめ、2011年には高齢化率が30%の大台に乗ってしまい、高齢化率は大阪府内でも突出しており、以下のような問題を抱えてしまいました。
・高齢化率30%超えで地域活力が大幅に低下
・高齢者の生活が困難化、適切な生活支援が必要
・エレベーターがない、部屋が狭いなど高齢者に住みにくい間取り
・住宅更新(住宅の建て替え)がスムーズにすすまない
建物の老朽化により住宅の建て替えが必要になりますが、分譲マンションの場合には、建て替えには区分所有者の5分の4以上(80%)の賛成が必要であることから、また建替え決議をめぐる訴訟が起きるなどのトラブルも起きており、私達マンション管理士のもとにご相談が入っています。
大阪府は2018年に千里ニュータウンの再生のために、次のような指針(方向性)を発表しました。
・歩いて暮らせる街を目指し、近隣センターを中心として商業や福祉、地域サービスなど多様な都市機能を集積する
・千里ニュータウンの拠点、地区センターを広域拠点として充実させる
・公共公益施設の再編で利便性を高める
・土地利用のルールを作る
・ユニバーサルデザイン視点の、人に優しい都市基盤の整備
・住民と行政による協働管理で新たな仕組みの創出
現在では、千里ニュータウンの建物の建て替えがかなり進んでおり、新しいマンションや住宅に若い家族の姿が見られるようになってきており、若い世代と高齢者とが協力しあう助け合う街へと大きく変化し、新たな街づくりが始まっています。新しい歴史を歩み始めています。