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個人情報保護法が改正 マンション管理組合の対応 その2

 今回は、個人情報保護法が改正された背景と内容を見ていきたいと思います。

 個人情報保護法が制定された当時も、顧客情報の流出問題が後を絶たないという背景がありましたが、今回の改正にもやはり大きな流出問題が背景としてありました。その1つはニュースでかなり取り上げられていました。それは通信講座「進研ゼミ」や「こどもちゃれんじ」で知られているベネッセコーポレーションから約760万件の顧客情報が外部に流出した問題で、業務委託していた企業の元社員が顧客情報を不正に取得して、名簿業者に売却していたことが2014年7月に発覚しました。またもう1つは、2016年6月に発覚した大手旅行会社JTBの約793万件の個人情報の流出問題です。子会社の社員が、ウイルスが添付されたメールを開いてしまい感染し、外部に不正アクセスされて情報を盗まれました。このように問題が続出し大きな社会的問題と発展したことで、個人情報保護法が改正されることになりました。たぶん今年の春頃には施行されるようです。 

 今回の改正の内容ですが、主な改正点は次のとおりです。

*個人情報保護委員会の新設                                            

   集約的な監督権限を有する「個人情報保護委員会」を内閣府の外局として新設

*個人情報の定義の明確化

   「DNA」「顔」「虹彩」「声紋」「手指の静脈」「指紋」「掌紋」、また、「パス

   ポート番号」「年金番号」「免許証番号」「マイナンバー」「各種保険証」などの公的

   番号も個人情報に該当

*ビッグデータとして個人情報を利活用する場合の情報加工のための制度の導入

   データ処理の際には個人が特定されないよう、個人情報の加工方法についての規則が

   制定

*個人情報を第三者へ提供する際の手続き方法を明確化

   個人情報を第三者へ提供する際には本人の同意を得ることを原則とし、データ受領者の

   氏名などを記録するとともに、一定期間保存するよう義務化

*「個人情報の取扱数5000以下の事業者は規制(法律)の対象外」とする制度の廃止

   個人情報を取り扱うすべての事業者が個人情報保護法の適用対象 

 マンション管理組合にとって大きく関与する改正点は、「5000件超」という個人情報取扱事業者の対象外要件が外されてしまったことです。このことにより、いままで個人情報取扱事業者の対象外として解釈されていたマンション管理組合が、一部の大規模マンションを除いて個人情報保護法の適用を受けることになります。次回は、個人情報保護法の適用されることに、管理組合がどう対応すれば良いかを考えたいと思います。

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