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マンション管理士事務所JU

マンション共用部評価書

 ヴィンテージマンションセミナー(大阪会場)が昨日開催されましたので、参加してきました。ヴィンテージマンションプロジェクト推進協議会(平成28年4月設立)が主催で、この協議会の参加メンバー等は次の団体です。
(参加メンバー)
一般社団法人マンション計画修繕施工協会
NPO法人全国マンション管理組合連合会
一般社団法人リノベーション住宅推進協議会
一般社団法人日本マンション管理士会連合会
公益社団法人東京都不動産鑑定士協会
西武信用金庫
一般社団法人マンションリフォーム技術協会
建物診断設計事業協同組合
NPO法人リニューアル技術開発協会
株式会社住宅あんしん保証
ハウスプラス住宅保証株式会社
(オブザーバー)
一般社団法人不動産適正取引推進機構
一般社団法人マンション管理業協会
 この協議会は、「マンション関係団体の連携のもと、適切な改修工事が行われているマンションの適切な評価手法の在り方を当協議会で作成、提言するとともに、古くても価値のある、いわゆるヴィンテージマンションとすることを管理組合が望み、中古マンションの 購入者もそこに住みたいと思うような仕組みを作り上げ、活発な流通を促進し、金融面においての評価まで連動させること」を目的とし、1.住宅の維持保全・性能向上に係る取組、2.住宅の資産の価値の評価に係る取組、3.金融商品・流通商品開発に係る取組、4.住宅ブランド化・情報提供に係る取組を目指しています。

 昨日のセミナーで興味深かったことは、日米の住宅ストックの資産評価額の大きな違いです。アメリカの住宅投資額の累計額(1945年~2010年)が13.7兆ドルに対して、住宅資産額が14.0兆ドルです。つまり住宅を建てるのにかけた累計金額よりも、建てられた全ての住宅の資産を評価した累計金額の方が多いのです。これは、建てられたときよりも資産評価が高くなっていることを意味します。一方日本の場合はどうかと言いますと、住宅投資額の累計額(1969年~2011年)が862.1兆円に対して、住宅資産額の方は343.8兆円で、何と518.3兆円も減っています。6割も資産評価額が下がっているのです。この理由として、日本での中古マンションの評価が取引事例比較法で行われていること、そしてリフォームによって物件の価値が上がったにもかかわらず、客観的にその向上価値を評価する指標及び手法が乏しい為、リフォームによる向上価値を正しく評価できていないためであるとの解説がありました。
そのため、共用部分の改修による向上価値が正しく評価されるように、ヴィンテージマンションプロジェクト推進協議会は、改修後に資産評価を行い、その結果を「マンション共用部評価書」を交付することにしたそうです。ただしこの交付は、ヴィンテージマンションプロジェクト推進協議会の参加団体の会員が設計・施工する物件に限られており、「マンション共用部評価書」の作成依頼には、審査手数料が若干かかります。
評価の項目は、1.耐久性能、2.機能性能、3.居住環境性能で、ABCの3段階で評価されます。3つともA評価ですと、AAA(トリプルA)でVM(ヴィンテージマンション)に認定され、「VM認定マーク」が発行されることになっています。
この評価書発行申込の受付は、今年の5月頃を予定しているとのことですので、大規模修繕工事のタイミングが合うようでしたら、一度検討してみてはいかがでしょうか。

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