スマートフォンで議決権行使
スマートフォンで株主総会の議決権を行使できるサービスが、本年6月開催の株主総会から開始されます。このサービスを提供するのは、みずほ信託銀行株式会社と三井住友信託銀行株式会社で、先月の20日に発表されました。
現在の一般的な議決権行使の方法は、書面による行使や、パソコン等での電子的行使がありますが、記入・郵送、パソコンの立ち上げ、ID・パスワードの入力等が、近年増加している個人株主にとっては手間がかかり面倒くさく、結果、議決権行使率が低下しています。そのような背景があって、今回のサービスが生まれたようです。
どのような方法かと言いますと、株主は送られてきた議決権行使書に記載されたQRコードをスマートフォンで読み取り、専用サイトにログインすれば議決権を行使できます。IDやパスワードの入力は必要ありません。また、このQRコードの読み取りが何回もできてしまえば、何度も議決権を行使できることになりますから、QRコードを読み取れるのは1回限りです。
この発表内容を読んで、すぐに管理組合の総会にも採用できないかと思いました。将来は、グローバル社会で活躍する組合員が増えること、ご夫婦で働かれる組合員の割合がさらに増えること、また働く曜日や時間帯がさらに多様化していくことを考えますと、常に持ち歩いているスマートフォンで議決権を行使できるようになれば、他の組合員任せの委任状の提出が少なくなり、自分の意見を反映した議決権行使書が増えるように思えます。できれば委任状での議決権行使をできないようしたいのですが、区分所有法の強行規定ですので、それはできません。現状において委任状での議決権行使が多いのは、議決権行使書よりも簡単だからと思われます。議決権行使書で行使しようすれば、一応各議案の内容を読まなければなりませんので、スマートフォンで議決権の内容を読めることができても、スクロールしながら読んでもらえるかは少し疑問が残ります。しかし、将来管理組合の総会でもスマートフォンで議決権を行使できるようになればと思います。
<区分所有法第39条第2項>
議決権は、書面で、又は代理人によって行使することができる。