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4K8K放送を分譲マンションで見るためには

 今年12月から始まります4K・8Kの実用放送は、今見ておられる4K放送とは異なる仕組みで放送されます。新しい4K・8K放送をマンションで見るためには、それに対応するための受信設備の改修が必要で、ある程度の工事費用と工事期間を要します。今年の夏から、本格的にこの新しい4K・8K放送対応のテレビが販売される予定ですが、受信設備の改修がされていませんと見ることができませんので、事前に管理組合で改修工事について検討しておく必要があります。受信設備の改修をしておかないと、何故見ることができないのかを、少しだけ説明しておきたいと思います。

 今放送されている4K放送と、新たに放送される4K放送の電波の送られ方が違います。今放送されている4K放送は放送衛星から右旋(右回り)で電波が送られていますが、新たに放送される4K放送と8K(スーパーハイビジョン)放送は左旋(左回り)で電波が送られてきます。そのため、今4K放送が受信できているアンテナ(右旋専用アンテナ)では、左旋で送られてくる電波を受信できないのです。勿論、新しい4K・8K放送対応のテレビでも、右旋で送られてくる電波を受信できますので、現在の右旋で送られてくる4K放送は見ることができます。新たに左旋で送られてくる4K放送と8K(スーパーハイビジョン)放送が見ることができないだけです。
 新しい4K・8K放送を受信するためには、アンテナを右左旋共用アンテナに取り替えて、さらに、約3,224MHzに対応できる増幅器や、分配器・分波器、壁面端子に変更しなければなりません。これらの変更があって初めて、新しい4K・8K放送対応のテレビで全ての4K8K放送を見ることができるようになります。
 マンションの全ての住民の方が、今のアンテナで見ることができる4K放送だけで十分と仰っていただければ改修する必要はありませんが、ある程度少なくない人数の住民の方から新しい4K・8K放送が見たいという意見があった場合には、管理組合としては改修に向けて検討する必要がでてきます。改修となれば、それなりの費用と工事期間を要しますので、新しい4K・8K放送が始まる今年12月までに改修は無理だとしても、早めに検討を始められることをお勧めします。対応が遅くなってしまいますと、待ちきれない住民の方が、既に販売されている受信アンテナを勝手にベランダに設置してしまうことが予想され、ほとんどの管理組合で規約違反となるベランダでの受信アンテナの花が咲き乱れるという事態になってしまいます。
 それよりも一番恐れることは、今年の夏から販売される「4K・8Kテレビ」や「4K・8Kチューナー」を購入したら、新しい4K・8K放送がすぐに見られると思っておられる住民の方が多く、受信設備を改修しないと見ることができないことを知らないことです。新しい4K・8K放送が始まって「4K・8Kテレビを購入したのに、テレビが映らない。」という声が一度に噴出することも考えられますので、この事だけでも、いち早くインフォメーションしておくことが管理組合にとって重要と思われます。
 受信設備の改修の方法はマンションよって違いますので、マンション管理業協会は、会員であるマンション管理会社に「新4K8K衛星放送の開始に向けた対応について」の案内を既にしています。それによりますと、次のような順序で優先度を決めて、その優先度に従って検討することを推奨しています。
1)BS放送設備の有無
   無:新4K8K放送のニーズに応じて改修時期を検討
   有:2)に進む
2)数年以内にBS受信設備の改修計画の有無
   無:新4K8K放送のニーズに応じて改修時期を検討
   有:最優先で改修を検討
 もし管理会社から、新4K8K衛星放送の開始に向けた事項について未だに提案がなされていないようでしたら、BS放送受信用のテレビ設備改修に国からの助成金が出る場合もあるかも知れませんので、一度、担当者にその事を指摘してみて下さい。

4K8K放送についての詳細は、次のサイトで見ることができます。
 総務省 4K放送8K放送情報サイト
 放送サービス高度化推進協会 
  

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