大阪北部地震 ブロック塀の撤去費用等の補助制度
大阪北部地震が発生して2か月がたちました。地震が発生した当初、速報の数値の3倍の住宅被害を想定して、大阪市は被害調査体制を組んだようですが、罹災証明の受付を始めてみると、最初の1週間で想定数を上回り、罹災証明の発効に伴う調査で市が認定した住宅被害は半壊が10件、一部損壊が975件の合計985件で、調査前の6月22日時点での一部損壊94件の約10倍にもなったみたいです。当初想定していたよりも多くなってしまったのは、大阪市には数多くのマンションが存在していたことで各戸の被害状況が把握しにくかったからのようです。淀川区の約350戸の大規模マンションでは、外観はそれほどの被害はなかったのですが、内部では水道管が損傷して約200戸が水による損害が発生したとの申請があり、調査した結果、大阪市はこのマンション全体を一部損壊と認定したようです。
認定被害数が一番多かったのは、写真で一部損壊を認定する自己判定方式を導入して取り組んだ茨木市で、約1万4700件(8月14日現在)です。また被害が最も大きかったと思われる高槻市は、現時点においても、まだ正確に把握しきれていない状況です。
今回の大阪北部地震では、住宅被害よりもクローズアップされたのが、「ブロック塀」の危険性でした。高槻市の小学生の女の子が、ブロック塀の倒壊により幼い命を奪われてしまいました。コストの安い遮へい壁としてや、防犯も兼ねた家の外壁壁として、ブロック塀は戦後の建設ラッシュ時に盛んに設置されており、大きな地震が起きた際には、いつもブロック塀の危険性が取り上げられています。犠牲者28人中18人がブロック塀や門柱の倒壊で死亡した1978年6月の宮城県沖地震がきっかけとなり建築基準法が改正され、震度6強から震度7の地震でも倒壊しない強度が、ブロック塀に求められたのですが、倒壊等の危険性があるブロック塀は以前放置されたままで、今回のような悲劇が起きてしまいました。
今回の事故を大きく受け止めた国土交通省は、次のような「ブロック塀の点検とチェックポイント」を発表しました。
1.塀は高すぎないか…塀の高さは地盤から2.2m以下か
2.塀の厚さは十分か…塀の厚さは10cm以上か(塀の高さが2m超~2.2m以下の場合は15cm以上)
3.控え塀はあるか(塀の高さが1.2m超の場合)…塀の長さ3.4m以下ごとに、塀の高さの1/5以上突出した控え壁があるか
4.基礎があるか…コンクリートの基礎があるか
5.塀は健全か…傾きやひび割れはないか
6.塀に鉄筋は入っているか
ブロック塀は1戸建ての民家に多く見られるのですが、一部のマンションでもブロック塀があるところもあるようですので、チェツクできるポイントは、自分たちで一度確かめてみて下さい。もし、基準に適合しておらず危険であると判断されれば、補助制度がある自治体もありますので、早急に改修するなり撤去するなり対応していただきたいと思います。例えば大阪の場合、事故があった高槻市では、撤去費用のみの助成となりますが、実際にかかった撤去費用の最大20万円まで(指定された通学路に面する塀は30万円まで)補助してくれます。また大阪市では、撤去の場合には15万円まで、軽量フェンス等の新設工事費用は25万円までが補助されます。もし、撤去や新設工事を実施することになりましたら、下記の補助制度をご覧いただき是非検討していただければと思います。
<高槻市>
ブロック塀等の撤去を促進する補助制度について
<大阪市>
大阪市ブロック塀等撤去促進事業
<堺市>
指定通学路の危険なブロック塀の撤去等に補助します!