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マンション高圧一括受電サービスの実態調査   その2

 経済産業省が調査委託した株式会社富士経済の「平成26年度電源立地推進調整等事業(マンション高圧一括受電サービスに係る実態調査)」の報告書内容の続きをお知らせします。
 今回は、マンション高圧一括受電サービスの実態についての報告内容です。
 まず初めに高圧一括受電事業者は、高圧一括受電サービスを本業とし既存マンションの市場開拓に特化した事業者と、デベロッパーなどの法人向けにビジネスを展開し新築マンションの市場開拓に特化した事業者とに大別されるとしています。既存マンションでの導入には全員の合意が必要な為、既存マンションの市場に特化した事業者には営業面でのマンパワーやノウハウの蓄積が必要であると、一方、新築マンションの場合は、マンション設計開始から高圧一括受電サービス開始までのリードタイムが長いため、事業参入には一定の資金力が求められるとしています。そして、最近のトレンドとしては、マンション管理業務を通じて管理組合と接点を持つ管理会社の新規参入が目立っていると報告しています。
高圧一括受電事業者が提供する電気料金プランは、「専有部削減タイプ」と「共用分削減プラン」とに大別され、電気料金の割引(還元)率は、「専有部削減タイプ」の方が5~10%で、「共用分削減プラン」の方は20~50%の設定が主流であるとのことです。また、「専有部削減タイプ」を導入している主な物件は新築マンションで、その理由は、マンションの販売時に専有部の電気料金割引を訴求することで、物件の販売促進につながるためです。
 次に契約期間ですが、契約開始日から10年若しくは15年に設定されている場合が多く、3年毎の自動更新です。高圧一括受電事業者によっては、長期の契約期間を設定せずに、1年毎の自動更新にしている場合もあるとしています。契約期間の根拠は、サービス提供時に受変電設備等の電気設備を新たに設置する場合は、電気設備の設置に係る費用を基準に設定していることが多く、受変電設備の法定耐用年数(15年)や、一般電気事業者の電気供給約款(1年ごとの自動更新)を基準として場合もあるとのことです。
 メンテナンスについては、ほとんどの高圧一括受電事業者は各地域電気保安協会などに外部委託しており、保安管理業務を外部委託する場合には、停電を伴う法定点検を原則1年に1回以上実施しなければならないのですが、遠隔監視(漏電)の実施による点検頻度の緩和措置を受けて、実際には3年に1回実施するケースが多いとのことです。

 次回は、既存マンションでのサービス開始までの手続フローを、報告書そのままをお知らせします。

 マンション高圧一括受電サービスの実態調査その1

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