ヤミ民泊対策 大阪市
「民泊」営業の届出が一番多いのは大阪です。こちらは合法の「民泊」ですので問題はないのですが、「ヤミ民泊」も一番多いのも大阪です。
大阪の中心は北と呼ばれる梅田と、南と呼ばれる難波ですが、最近は、本当に外国人の姿を梅田と難波で多く見られるようになりました。梅田、難波以外の場所でも見かけられます。道頓堀や大阪城、そしてUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)などの人気スポットに多くの外国観光客が訪れますので、それをターゲットとした「民泊」営業が増えたと思われます。また、今年はG20が開催され、2025年には万国博覧会が再び大阪で開催されます。そのことも、中国人等の投資家が民泊できる物件に目を付け買い取ることに拍車をかけ、結果、合法・ヤミにかかわらず民泊の物件が多くなっているようです。
そのため、大阪市は2018年6月に「違法民泊撲滅チーム」を結成しました。現在約70名がチームに在籍しており、警察OBや「環境衛生監視員」の資格を持つ薬剤師や獣医師などがメンバーです。チーム結成から約10ヶ月経ったこの4月の時点で、約2万回の現場調査を行って、約4700件のヤミ民泊を確認し、そのうち約4200件に営業許可を取らせ、または廃業させたとのことです。現場調査は、根気のいる地味な方法で、住民からの通報のあった物件を1件1件泊まり客に聞き取りを行うことです。調査員が来た場合には、質問の答え方をドアの室内側に貼ってあり、それに従って泊まり客が答えるようにさせており、その答え方も時期を追うごとに巧妙になっているそうで、なかなか貸主の名前を聞き出せないようです。
そこで、大阪市は、物件の住所から水道の契約者情報を割り出して、貸主を特定する方法を見つけ出したようですが、水道部局から個人情報を得ることになりますので、個人情報保護の観点から問題があるかどうかです。この点について厚生労働省は、問題はないとの見解を大阪市に通達しています。