平成30年度マンション総合調査結果その1
平成30年度のマンション総合調査結果が発表されました。
この調査は5年に1度実施されるもので、今回は平成30年11月から12月に行われました。今回のアンケートの回収率は、管理組合が40.2%(配布数4200回収1688)、区分所有者が38.2%(配布数8400回収3211)です。前回が、管理組合が63.8%(配布数3643回収2324)、区分所有者が65.4%(配布数7484回収4896)ですので、回収率が大幅に下がり、回収枚数も両方とも前回を下回っています。
今回の調査結果の主な概要ですが、やはり高齢化が進んでいます。前回は、「50歳代」22.8%・「60歳代」31.1%・「70歳代以上」16.5%でしたが、今回は、「50歳代」24.3%・「60歳代」27.0%・「70歳代以上」19.3%で、ほぼ、前回60歳代の方が70歳代以上になられているということです。築年数で「70歳代以上」の割合を見てみますと、築40年以上のマンションでは47.2%で、お住まいになられている方のほぼ半分の方が「70歳代以上」ということになります。築30年~40年でも、37.8%です。
次に、賃貸戸数割合と空室戸数割合ですが、まず賃貸戸数割合については減っている結果となっています。賃貸住戸がないマンションは10.5%から11.6%に、賃貸戸数割合が20%を超えるマンションが18.2%から17.1%に減少しています。
空室戸数割合の方については、空室(3ヶ月以上)がないマンションは増えているものの、空室戸数割合が20%を超えるマンションは0.8%から1.2%と増えています。
また、管理費の金額については、駐車場使用料等からの充当額を含んだ月/戸当りの管理費の平均額が15,956円(前回は15,257円)、駐車場使用料等からの充当額を除いた月/戸当りの管理費の平均額は10,862円(前回は10,661円)で少し増加しています。しかし、単棟型で見ますと、駐車場使用料等からの充当額を除いた月/戸当りの管理費の平均額の方は、11,147円から10,970円に減っています。つまり、単棟型の方では、管理費の駐車場使用料等に依存する割合が増えているということになります。駐車場使用料の別会計化が全く進んでいないという結果です。これは分譲時において、未だに駐車場使用料をあてにした管理費の金額設定を行っているからでしょう。
分譲時の管理費の決め方の一つとして次のような方法があります。
戸数が100戸で、駐車場60台(使用料10,000円)、1ヶ月に必要な管理費用(予備費含む)が110万円とします。駐車場の稼働率を80%に設定しますと、月々の駐車場使用料は48万円で、これを管理費に充当しますと、あと62万円(110万円―48万円)が必要となります。これを100戸で割った金額6,200円が組合員の方から徴収する毎月の管理費です。これでお分かりになると思いますが、機械式駐車場の場合ですと、機械式駐車場の部分改修費用と更新費用の全てを、修繕積立金で補わなければなりません。しかし、多くのマンションでは、これを補えるほどの修繕積立金を設定していません。
その修繕積立金の方を見てみますと、駐車場使用料等からの充当額を含んだ月/戸当りの修繕積立金の平均額が12,268円(前回は11,800円)、駐車場使用料等からの充当額を除いた月/戸当りの管理費の平均額は11,243円(前回は10,783円)と増加しており、単棟型で見ても団地型で見ても両方とも増えています。
そして修繕積立金の積立方式ですが、均等積立方式が41.4%で、段階増額積立方式が43.4%となっており、築年数が浅いほど段階増額積立方式の割合が多いようで、これが第1回大規模修繕工事前に修繕積立金の見直し(増額)をせざるを得ない要因となり、合意形成に困難をもたらしています。
私としましては、分譲時にはできる限り均等積立方式を導入していただき、駐車場使用料を別会計にした管理費を設定してもらいたいと思っています。
次回は、管理組合運営等についての結果をお知らせします。