電脳マンション
本日の日本経済新聞に、長谷工コーポレーションが「電脳マンション」を開発したとの記事が掲載されていました。
第1号の電脳マンションは、今年3月に完成した東京の板橋区にある学生マンションです。入居者が玄関に近づくと顔認証カメラが判定してドアが開き、壁の大型モニターに「○○さん、おかえりなさい」というメッセージと、宅配ロッカーの荷物の有無が表示されるとのことです。そして、エレベーターに乗れば指示することなく勝手に自分の居住階まで運んでくれるようです。その他にも、屋上に設置された気象センサーが温度や湿度を教えてくれたり、地震センサーが離れて住む家族に知らせてくれるそうです。これらのデジタルサービスはLIM(リビング・インフォメーション・モデリング)と名付けられ、生活者から得られた様々な情報を蓄積して、新たなサービスや業務改善に生かすとのことです。
長谷工コーポレーションはマンション建設の最大手であり、これまでの「建てて売れば終わり」から脱却して、LIMから得た情報を駆使して、住民生活のサービスや建物の修繕等に生かすなど、アフターサービスで差別化を図り、新ビジネスモデルに転換しようとしています。
第1号の学生マンション(Feel I Residence)は7階建て72部屋のマンションですが、来年の秋には第2号が完成する予定(入居開始は2022年3月)です。こちらの物件は、東京都北区の「コムレジ赤羽」で、地上8階建て324戸(352室)と、部屋数は第1号の4.5倍の規模です。学生向けが124室、社会人向けが168室、シニア―向けが60室。学生、社会人、シニア―が集い、日常で接点を持つ機会が少ない世代が交流する“場”や“仕組み”を設定し、そこから生まれる新しい発想のもとでの住まいを創出するのが狙いのようです。
現段階では電脳マンションは賃貸ですが、将来は分譲マンションにも目を向けて、分譲マンション用の機能を作り出すようです。ただし、分譲マンションでは、いろいろとハードルが高そうです。