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マンションのベランダからの幼児転落事故相次ぐ

マンションでまた幼児のベランダからの転落事故が発生しました。
8月23日午後6時ごろ、大阪市天王寺区玉造本町のマンション(15階建て)の14階自宅ベランダから、4歳の男児が転落して死亡しました。男の子は直前まで母親と一緒に室内にいたそうですが、仕事から戻ってきた夫を母親が玄関に迎えにいったほんの短い間にベランダの外に出てしまい、そしてベランダの柵の手前に置いてあった逆さにしたゴミ箱を足場にして柵を越えて転落してしまったようです。幼い命がまたマンションでなくなってしまいました。
今月の12日に、神奈川県横須賀市のマンションで女児が亡くなったばかりです。ベランダには足場に使ったと思われる椅子が置いてあったそうです。また今年5月にも東京都葛飾区のマンションで、今回と同じ4歳の男児が10階から転落して死亡しており、この時はエアコンの室外機を足場にしてベランダの手すりを乗り越えてしまったようです。いずれもベランダにあった何かしらの物を足場にして、ベランダの柵や手すりを乗り越えてしまったことが転落の原因です。
ベランダの柵や手すり等の高さは、安全のために建築基準法で定められています。
建築基準法施行令第126条第1項
「屋上広場または2階以上の階にあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さくまたは金網を設けなければならない。」
この1.1mの高さは、大人が寄りかかっても大丈夫だという高さです。最近の高層マンションではさらに安全を高めるために、もう10cmから20cmぐらいの高さににしているところもあるようです。
でも反対に、魅力ある眺望が売りの高層マンションにするためにも、より高い安全性を捨ててギリギリの高さで設置しているマンションもあります。どちらにしてもベランダに足場となる物があれば、この1.1m~1.3mの高さは無意味な高さになってしまい、幼児の転落事故を引き出してしまいます。また構造上梁が足場なってしまっているマンションがありますので注意してください。柱型を室内に出さないようにして梁をベランダ等の先端に設けて、逆梁にしているマンションです。この場合サッシ高を高くとることができ、キッチンからバルコニー等まで天井の高さを均一にすることができて高級感が出ますが、梁がベランダ等にあるために、この梁の高さがもし65cm以下だと梁自体が足場になってしまうからです。もし65cm以下であれば、梁の天端から手すり等の天端までが80cm以上あるかどうかを確認してください。80cm以上あれば幼児にとって安全だと言われていますので、是非その箇所を測っておいてください。
マンションの駐車場での子供の事故が多発していますが、幼児のベランダからの転落事故も相次いで起きていますので、小さいお子さんが簡単に一人でベランダ等に出られないようにしておいてください。そして万が一出たとしても、柵や手すりを乗り越えられないようにするために、ベランダ等には足場となるような物(エアコンの室外機、椅子、テーブル、ラティスヘンス、荷物等)は絶対に置かないようにしてください。やむを得ず置かなければならない場合には、足場となるような物は、柵や手すり等から十分に距離を離して、お子さんが動かせないように必ず固定しておいてください。

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