管理会社による電力小売りサービス
本年4月に電力の小売が全面自由化されましたが、マンション管理会社による電力の小売が開始されるようで、野村不動産パートナーズが8月3日に、東急コミュニティーが8月17日に、それぞれ受託管理組合に電気を販売する電力小売りサービスの開始を発表しました。
野村不動産パートナーズについては、電気の調達は野村不動産グループの小売電気事業者NFパワーサービスが行い、管理組合との契約及び料金収納業務は管理会社の野村不動産パートナーズが行います。従量電灯や低圧電力契約等の共用部分への電力の供給で、料金は既存の地域電力会社と比較して約3~10%程度割安になるようです。当面は東京電力管内のマンションが対象ですが、順次範囲を広げるそうです。
一方東急コミュニティーの方は、新電力最大手のエネットと提携して、安価な電力を提供します。東急コミュニティーがエネットの取次事業者となって、管理組合との契約及び料金収納業務を行います。対象は共用部分が低圧契約のマンションで、東急コミュニティーグループの受託管理物件のうち約3000組合を対象に順次提案していく予定とのことで、料金は地域電力会社と比較して約10%削減できる見込みだそうです。
マンション全体がまとまって電力を購入することにより電気料金を削減できる一括受電サービスが、共用部分と専有部分の電気契約を同一にしなければならないのに対して、管理会社の小売サービスは、契約の切り替えは共用部分の電灯契約や低圧電力契約のみですので、専有部分の電気契約は引き続き個人が自由に電力会社を選べるようになっているのが大きな特徴です。一括受電サービスを導入する際には区分所有者全員の合意が必要となるため、合意形成のハードルが高くて結局は導入できなかったマンションにとっては朗報なお話ですが、今のところ、野村不動産パートナーズも東急コミュニティーも受託管理のマンションのみを対象としています。今後は、他の管理会社の管理マンションにも電力小売りサービスを提供できるようになるかもしれませんし、また他の管理会社も野村不動産パートナーズや東急コミュニティーのように独自のサービスを開始することも考えられます。
【 ニュース・リリース 】 野村不動産パートナズ 東急コミュニティー