マンション高圧一括受電サービスに係る実態調査
経済産業省資源エネルギー庁は、電力小売りの全面自由化に先立って2016年に制定した「電力の小売営業に関する指針」の遵守状況を確認するために、マンションの高圧一括受電事業者17社に対し、昨年12月から調査票を送付して調査を実施しています。
この指針では、小売電気事業者等に対して①需要家への情報提供②営業・契約形態③小売供給契約の内容④苦情・問い合わせへの対応⑤小売供給契約の解除手続についての問題となる行為や望ましい行為が示されています。高圧一括受電事業者は電気事業法の規制対象外ですが、小売電気事業者と同じように適切に行うようにとしており、マンションの管理組合が高圧一括受電を導入する際に開催される住民説明会では、十分に説明するようにと言及しています。この指針を遵守しなくても、今のところ電気事業法の改善命令などはないそうです。
実は、この指針が制定される前の2015年に、経済産業省が調査委託した株式会社富士経済が、「平成26年度電源立地推進調整等事業(マンション高圧一括受電サービスに係る実態調査)」の報告書を発表しています。経済産業省のHPで閲覧することができていたのですが、現在は削除されて閲覧することができません。
今年の3月5日に、マンションにおける高圧一括受電導入に関する訴訟の最終判決がありました。導入に反対されたお二人の方が勝訴されたのですが、このうちのお一人の方と、ある経緯でこの訴訟に関して連絡を取らせていただくことができ、様々な訴訟資料を提供していただきました。その資料の中に、前述の株式会社富士経済の報告資料もありましたので、その概要を次の機会にお知らせしたいと思います。