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住宅宿泊事業法(民泊新法)施行令案と施行規則案

 公益財団法人マンション管理センター主催の『住宅宿泊事業法(民泊新法)公布に伴う「マンション標準管理規約」改正についての解説セミナー』が、昨日大阪科学技術センターで開催され私も参加してきました。規約改正の内容については以前お伝えした内容とほぼ一緒ですが、改めて注意して頂きたいポイントだけ再度お伝えしたいと思います。
1つ目のポイントは、住宅宿泊事業法(民泊新法)を許容するか否かを、できる限り早い時点で管理規約に明確にしておくことです。2つ目は、もし住宅宿泊事業法が施行されるまでに管理規約の改正が間に合わない場合には、総会又は理事会で許容するか否かの方針だけでも決議して、必ず議事録等を残しておくことです。届出を受け付ける際には、管理規約又は総会・理事会の議事録等で民泊禁止かどうかが確認されますので、管理規約や議事録等の提出がなければ、つまり民泊禁止が確認できなければ届出が受け付けられてしまう可能性があるということです。3つ目は、住宅宿泊事業の届出が開始される時期は、住宅宿泊事業法が施行される時期よりも3ヶ月早いという事に注意しなければならないことです。住宅宿泊事業法の施行は、公布の日(2017年6月16日)から起算して1年以内ですが、その準備行為としての住宅宿泊事業の届出手続の規定の施行は9ヵ月以内となっています。つまり、遅くとも来年2018年の3月15日からは届出が受け付けられるということになります。ですから届出の受付開始までに民泊禁止の管理規約又は総会・理事会の議事録等がなければ、施行日までにと民泊禁止の準備をしている間にも、届出が受理されてしまいます。民泊禁止を考えておられる管理組合様は、特に2つ目と3つ目のポイントに注意して頂きたいと思います。

 また先週の9月21日には、住宅宿泊事業法施行令(仮称)の案(以下、施行令案)と住宅宿泊事業法施行規則(仮称)の案(以下、施行規則案)が公示され、パブリックコメント(意見公募)の募集が始まっています。意見・情報の受付は、9月21日から10月11日となっており、最終、平成29年10月に公布されて、住宅宿泊事業法と同時に施行されます。
施行令案の概要は次のとおりです。
(1)住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例の基準
(2)住宅宿泊管理業者等の登録の更新の手数料
(3)管理受託契約に係る書面等に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承諾等
(4)外国住宅宿泊仲介業者の営業所等における検査に要する費用の負担
(5)その他所要の規定の整備
 (2)については、① 区域ごとに、住宅宿泊事業を実施してはならない期間を指定して行う。② 区域の指定は、土地利用の状況その他の事情を勘案して、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止することが特に必要である地域内の区域について行う。③ 期間の指定は、宿泊に対する需要の状況その他の事情を勘案して、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止することが特に必要である期間内において行う。とあります。

 次に施行規則案ですが、概要は次のとおりです。
(1)住宅の整備
(2)人の居住の用に供されていると認められる家屋
(3)人を宿泊させる日数の算定
(4)届出
(5)変更の届出
(6)廃業等の届出
(7)宿泊者名簿
(8)周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明
(9)住宅宿泊管理業務の委託の方法
(10)宿泊サービス提供契約の締結の代理等の委託の方法
(11)標識の様式
(12)住宅宿泊事業者の報告
(13)身分証明書の様式
(14)市町村の意見聴取
(15)住宅宿泊事業等関係行政事務の処理
(16)その他所要の規定の整備
 先程のポイントで述べました区分所有建物での民泊禁止の確認については、(4)届出の③届出書に添付する書類で次のように記述されています。
 ・住宅が区分所有建物である場合には規約の写し(規約に住宅宿泊事業に関して定めがない場合は管理組合に禁止する意思がない(※)ことを確認したことを証する書類)
 標識については、まだ発表されていませんが、「家主同居型」、「家主居住型」、「家主不在型」の3つの標識案があり、現在検討中とのことです。

 公益財団法人マンション管理センター主催の『住宅宿泊事業法(民泊新法)公布に伴う「マンション標準管理規約」改正についての解説セミナー』は10月24日に追加開催されますので、セミナー案内をご覧ください。

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