大阪府の耐震診断費等補助制度の予算について
大阪府が2018年度当初予算の財務部長内示の状況を先月30日に発表しましたので、耐震化関連の内容を少しお知らせしたいと思います
大阪府が昨年7月に提出しました、「平成30年度の国の施策並びに予算に関する提案・要望(住宅・まちづくり関連)」の中で、耐震化に関する内容は次のとおりです。
≪減災に繋げる災害に強い住まいと都市の形成≫
上町断層帯地震等の活断層による直下型地震や南海トラフ巨大地震等の来るべき大地震に備え、生命を守り被害を最小化する減災の観点から、府民の安全・安心の基盤である住宅建築物等の耐震化、密集市街地対策による災害に強い都市構造の形成に向け、積極的な対応策を講じられたい。
2.住宅・建築物の耐震化の促進【総務省・国土交通省】
(※平成29年6月最重点提案・要望項目)
住宅・建築物の耐震化を強力に促進するため、以下の項目を要望する。とりわけ分譲マンションなどの共同住宅は、戸建て住宅に比べ規模が大きく、地震により倒壊等が生じた場合、周辺地域に及ぼす影響が大きいことから、特段の支援策を講じられたい。
◇ 広域緊急交通路沿道建築物、不特定多数の者が利用する大規模建築物の耐震化促進のため以下の制度拡充を行うこと。とりわけ旅館・ホテルは、災害時避難所としての機能も期待されていることから、所有者負担を軽減するため積極的な制度拡充を行うこと
・耐震対策緊急促進事業の適用期限の延長と国費率の引上げ
・地方負担に対する特別交付税措置に関して、財政力指数に応じた率の撤廃や特別交付税の措置率の引上げによる拡充
◇ 広域緊急交通路沿道の建築物の耐震診断結果公表にあたり、公表対象となる既存耐震不適格建築物に該当するか現状で判断が困難な建築物の取扱について、関係法令に位置付けるなど対応方針を明らかにすること
◇ 平成22年度補正予算において実施された住宅の耐震改修等に対する緊急支援事業と同様の制度を創設すること
◇ 耐震改修促進税制による所得税控除の拡充、耐震改修工事完了後の固定資産税減額に係る税制優遇制度の拡充を行うこと
◇ 住宅・建築物の所有者に対し、耐震化を強く働きかけるため、固定資産税情報の内部利用ができるよう制度改正すること
以上大阪府ホームページより
大阪府住宅まちづくり部の事業費ベース90億2100万円のうち、分譲マンション耐震化促進事業は要求通りの3962万8000円で、補助の内容は、診断が30棟、設計・改修が各1棟を想定しているとのことです。また、補助割合は、診断設計が3分の2(国3分の1、府6分の1、市町村6分の1)で、改修は23%(国11.5%、府市町村5.75%)を見ており、今のところ補助限度額は発表されていません。
大阪府は2025年度までに、住宅の耐震化率を95%にすることを目標に掲げており、費用面で合意形成が難しい分譲マンションの耐震化を促進するために、旧耐震基準の分譲マンションから要望があれば、職員が個別訪問して説明することも検討しているとのことです。
ちなみに国土交通省の予算状況は下の政府予算案のとおりで、耐震対策緊急促進事業は要求額140億円に対して昨年予算と同じ120億円となっています。