明けまして、おめでとうございます
明けまして、おめでとうございます。
本年も、宜しくお願い致します。
2019年は、いよいよ平成の時代が終わり新しい年号の世が始まりますが、マンション業界はどのように変遷していくのでしょうか。
東京オリンピックを翌年に迎える首都圏では、マンションの建設が鈍化しているようです。ホテルが外国人観光客の増加で好調であり、オフィス市況もミニバブル状態となっているため、首都圏ではホテルや商業施設、オフィスを構えた大型ビルとで建設用地の奪い合いが激しくなっており、マンションの建設が容易でなくなっているようです。建設現場の人手不足から大手ゼネコン各社は、今までのような価格で工事を請負わなくなっており、首都圏でのマンション販売価格はバブル期並みになっています。
一方、近畿圏はどうでしょうか。不動産経済研究所の今年の近畿圏のマンション市場の予測を見てみますと、マンションの供給戸数は約2万戸で昨年比+0.5%です。ほぼ横ばいとなっています。大阪市部9,800戸、大阪府下4,000戸、神戸市部2,000戸、兵庫県下1,800戸、京都市部1,200戸で、大阪市部と京都市部が増加のようです。特に大阪市部では超高層マンションによる大量供給が見込まれています。首都圏同様に、ホテルと大型ビルとの競合でマンション用地の土地価格が上昇しているため、近畿圏でも販売価格は今年も上昇を続けるとのことで、大阪万博の開催が今後より一層拍車をかけるかもしれません。2018年の大阪市部での平均1㎡単価が76.4万円ですから、一般的な広さ75㎡では約5,700万円の販売価格となります。ちなみに東京都区部では平均1㎡単価は111.8万円ですので、75㎡は約8,400万円です。
このように、首都圏・近畿圏で新築マンションの販売価格が上昇し続けていることから、中古マンション市場が活気づくことになり、2016年からは中古マンションの販売戸数が新築マンションの販売戸数を抜いてしまい、今年もその傾向が続くと思われます。しかし、これだけ毎年マンションが建設されるということは、中古マンションのストックも年々増加していきますので、中古マンションが供給過多になることは間違いありません。そうなりますと、中古マンション市場でも人気のあるマンションとそうでないマンションとの格差が益々広がってきます。人気は特に立地エリアが大きくかかわってきますが、同じエリア内であれば、管理状態の良し悪しも人気に関わってくるでしょう。
不動産の販売時には、必ず不動産会社から重要事項説明がなされますが、その中には次のようなマンション独自の説明事項があります。
1.一棟の建物またはその敷地に関する権利およびこれらの管理・使用に関する事項
2.共用部分に関する規約等の定め
3.専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約等の定め
4.専用使用権に関する規約等の定め
5.所有者が負担すべき費用を特定の者にのみ減免する旨の規約等の定め
6.計画修繕積立金等に関する事項
7.通常の管理費用の額
8.管理組合の名称および管理の委託先
9.建物の維持修繕の実施状況の記録
管理規約が無いとか古いままであるのは問題外ですので、特に6と7と9が重要です。6は修繕積立金に関する事項で、修繕積立金の月額、滞納者がいればその滞納額、そして修繕積立金の積立額がどれくらいあるのかが説明されます。7は管理費に関する事項で、管理費の月額、そして滞納者がいればその滞納額が説明されます。9は建物や設備の修繕履歴に関する事項で、大規模修繕工事等の主な工事実施状況が説明されることになっています。管理費や修繕積立金が高い安いという事もありますが、それよりも管理組合が多額の滞納金を抱えてしまっているかどうかが問題です。また建物や設備の維持管理のために適切な時期に適切な修繕工事が実施されているかどうかです。中古マンションを買われる方は、必ずこれらの事項の説明を受けて判断しますので、これらの判断材料の良し悪しで人気があるかどうかが決まってきます。今後マンションの売却をお考えの方は、ご自分のマンションの管理状況を是非把握していただきたいと思いますし、その為にもお一人お一人が積極的に管理組合運営に参加していただくことを切にお願い致します。