最近よくあるマンション管理士への相談内容
あるWEBサイトに、理事会で検討されている議題内容についてのアンケート調査結果が掲載されており、その上位15の議題内容は次のとおりでした。
1位 大規模修繕関連事案
2位 管理費の見直し
3位 修繕積立金の見直し
4位 植栽の見直しや改善
5位 駐輪場見直しや改善
6位 ゴミ出しなどのマナー対策
7位 防災対策の向上や改善
8位 防犯対策の向上や改善
9位 バルコニーの喫煙対策
10位 駐車場の見直しや改善
11位 騒音対策
12位 共用部分の省エネ化対策
13位 ペット対策
14位 住民間のコミュニティ対策
15位 民泊対策
上位3つの、「大規模修繕関連事案」と「管理費の見直し」と「修繕積立金の見直し」は、組合員の皆様が毎月徴収されているお金に直接関係する内容です。また10位の「駐車場の見直しや改善」は、駐車場の空きによる駐車場使用料収入の減収問題で管理費や修繕積立金に関与しており、12位の「共用部分の省エネ化対策」も管理費の支出減を目指すもので、やはり「お金」に関係しています。その他の議題内容は、組合員の皆様が快適な生活をおくる上での問題解決です。私も業務上理事会に参加させていただいていますが、9位の「バルコニーの喫煙対策」はたまたま無かっただけで、それ以外は全て管理組合の役員の皆様と一緒に検討した内容ばかりです。
理事会役員の方だけでなく一般組合員の方がマンション管理についてご相談される場合、大抵の場合、マンション関連の団体主催による「相談会」を利用されたり、マンション管理センター等の関連窓口にご相談されています。ちなみに、平成28年度にマンション管理センターに寄せられた相談内容は次のとおりで、理事会での検討議事内容の順位とはまた違っています。理事会では組合員の皆様のためにマンションの資産価値の維持向上のための議題を取り上げており、個人個人のご相談と違うのは当然といえば当然です。
1位 区分所有法・管理規約の解釈
2位 役員の資格、選任・解任、任期
3位 管理規約の作成・改正
4位 総会の決議事項
5位 理事長・理事会への不満
6位 管理会社の選定・変更
7位 共用部分の使用、管理、変更(決議要件を除く
8位 水漏れ事故(給排水管、外壁等)
8位 管理組合の役割・業務
10位 管理員・フロントマンへの苦情・交代要求
11位 管理委託契約書の内容
12位 議決権、決議要件
13位 総会の開催準備(招集、議案書の作成等)
14位 委任状・議決権行使書
15位 理事・理事会の役割・権限
詳細はこちらのコラムをご覧ください。
マンション管理センターへの相談概要(平成28年度)
また、管理組合様がどのような問題でマンション管理士に相談されるのかは、上記アンケート結果とは少し違ってくるように思います。私もそうですが、他のマンション管理士の方のホームページを見ていただいても分かりますように、業務内容は、「顧問業務」、「管理規約変更支援」、「管理会社変更支援」、「大規模修繕工事実施支援」がほとんどです。役員のなり手不足で、「外部役員就任」という業務もありますが、こちらの業務は現状においてはまだまだ少ないです。「管理規約変更支援」や「大規模修繕工事実施支援」については、専門的な知識が必要として業務を依頼されます。また「管理会社変更支援」については、普段補助してもらっている管理会社を変えるわけですから、管理会社に頼ることはできませんので、マンション管理士に依頼されることが多いです。そして「顧問業務」ですが、組合運営に関する単独の問題解決だけで「顧問業務」を依頼されることはまず少なく、問題が日常化し解決されないまま山積みされているようなマンションから依頼されます。ただし、依頼された時点では管理組合様との信頼関係がまだ薄いですから、直接契約に結び付くことは少ないです。大規模修繕工事の実施や規約改正のお手伝いをさせていただくなどして信頼関係が出来てから、「顧問業務」の依頼がくるようになることの方が多いです。
昨日、日テレ24で「どんな相談が多い?マンション管理士とは…」の記事が配信されていました。マンション管理士プロフェショナルパートナーズの代表理事である川原一守マンション管理士が、実際に受けているご相談内容について話されています。それによりますと、
1位 駐車場の空き問題
2位 修繕費の値上げ
3位 民泊問題
となっており、順位は別として、理事会で検討されている議事内容のアンケート結果にもある内容でした。1位の「駐車場の空き問題」は2位の「修繕費の値上げ」にも関与しており、私の場合も、管理組合様とともに約5年間検討している案件であり、今なお検討し続けています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
日テレ24「どんな相談が多い?マンション管理士とは…」