神戸市のタワマン規制条例が本日から施行
昨日6月30日、中国の習近平国家主席が、「香港国家安全委除法」に署名し公布しました。香港の返還や返還後の統治体制について中国と英国が、1984年に中英共同声明に合意し、香港には中国本土の社会主義を適用せず、返還後50年間は従来の資本主義体制や生活様式を維持されることになっていますが、この「香港国家安全委除法」の公布により、香港に高度の自治を認めていた「1国2制度」が形骸化することも考えられ、国際ビジネス都市「香港」は、今後どのような道を進んでいくのでしょうか。
一方、日本に目を向けますと、今日7月1日から神戸市のタワマン規制条例が施行されました。JR三ノ宮駅の南側の一部の地域22.6ヘクタールではすべての住宅の新築が禁止され、その外側のJRの新神戸駅から神戸駅周辺にかけての地域292ヘクタールでは、建物の容積率を最大900%から400%にまで厳しく引き下げて、タワーマンションなどの大型の集合住宅の建設が不可能になるようにしています。昨日の6月30日までに着工したマンションは今後も建設を続けることができますが、今日以降は着工することができません。
この条例を設けた背景には、神戸市の中心である三宮周辺の極めて狭いエリアに、東京や大阪のようにタワーマンションが林立することになれば、周辺の北区や西区の郊外ニュータウンから人口が流出してしまい、結果、郊外の人口が減少してしまうおそれがあるからです。郊外の人口が減り、三宮周辺への交通機関の利用も減って採算がとれず、利便性が低下し続けた結果、郊外の過疎化が進んでしまわないようにするための条例であり、一方では、この三宮周辺でのオフィス建設には5年間固定資産税等を減免して、積極的に三宮周辺にオフィスを呼び込むつもりのようです。この条例は、都心と郊外のバランスを重視した攻めの都市政策であるとも評価されていますが、「香港」同様に、神戸も今後どのような道を進むのでしょうか。個人的には、神戸らしい異国情緒あふれた街並み、景観を潰さないようにしていただければと思っています。