続:第9回「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」
標準管理規約等改正の論点として12項目が提示されたようであるが、この中には、これまで議論されていない項目があったようである。今回の資料は各委員には事前に配布されていたかどうかはわからないが、検討会当日に傍聴者として出席した者は、この資料を見て驚いたみたいである。
新たに提示された項目の中に次の項目があった。
価値割合に応じた議決権割合、土地持分割合、共益費等の設定
つまり、議決権の割合を現行の専有面積割合や各住戸平等ではなく、眺望や景観などの付加価値を反映させた価値割合に設定してはどうかということである。ここ数年の間にかなりの超高層マンションが建てられており、高層階と低層階とでは分譲価格も大幅に違い、住戸の財産価値(眺望・景観等の付加価値)も両者の間では大幅に違ってくる。タワーマンションでは、それが10:1いや20:1ぐらいになるものもある。だからこれを考慮して土地持分、議決権の割合、管理費の負担割合をセットで考えるべきではないかという意見である。
この意見は確かに一理あるが、住戸の財産価値は年が経つにつれ必ず下落する。高層階と低層階の財産価値割合が何年経っても同じとは到底考えられない。分譲時のような割合の差には決してならないだろう。この論点にはかなり無理があるように思えてならない。