国土交通省2020年度予算概算
国土交通省は8月28日、2020年度予算概算要求をまとめ、公表しました。総額は7兆101億円で、10年ぶりの7兆円越えの要求です。
今回の予算概算要求では、マンションの再生促進と管理適正化に向けた予算の新たな要求や拡充があり、高経年マンションへの対策を重視しているようです。
「老朽化マンション再生モデル事業」として、新たに20億円を求めています。老朽化したマンションの建て替えや長寿命化を図る改修について、モデルとなる事業を支援するためのものです。またマンション管理の実態調査を進め、自治体が行う管理適正化とマンション再生の取り組みを支援する事業の予算を大幅に拡大して、前年度の2.25倍の2億7500万円を要求しています。
その他、「空き家対策総合支援事業」の予算は前年度の1.52倍の50億円。また個別の事業では、「空き家等の流通・活用促進」は6000万円(同1.40倍)、「所有者不明土地法の円滑な運用支援」は9000万円(同1.67倍)、「ランドバンク活用等土地の適切な利用・管理の推進」は7000万円(同1.94倍)など、既存事業もそれぞれ拡大を図っています。以下国土交通省HPからの抜粋ですのでご覧ください。
【老朽化マンション対策・空き家対策と既存住宅流通の活性化】
老朽化マンションや空き家への対策を強化することを通じて、周辺の生活環境への悪影響を低減するとともに、既存住宅ストックの管理適正化等による有効活用・既存住宅流通の活性化を目指す。 このため、今後急増する高経年マンションについて、適切な維持管理を促進するとともに、改修や建替え等によるマンションの円滑な再生を図る取組への支援を強化し、ソフトとハードの両面から、老朽化マンションへの総合的な取組を促進する。 また、少子高齢化の進展等により増加する空き家について、除却・利活用への支援を強化するとともに、相談体制の整備等に向けた取組を促進する。 さらに、住宅の適切な維持管理やリフォームを進めることで、住宅の価値を維持し、良質な住宅が評価され流通する、既存住宅市場の整備を進める。
(1)マンションの管理適正化・再生円滑化
老朽化マンションの再生検討から長寿命化に資する改修や建替え等を行うモデル的な再生プロジェクトに対する支援を行う。 また、マンション管理の実態調査をはじめ、地方公共団体等が行うマンションの管理適正化・再生に向けた取組への支援を強化する。 さらに、適切な長期修繕計画の作成や良好なマンションの管理に対応する性能向上リフォームに対する支援を行う。
【老朽化マンション再生モデル事業 国費:20 億円(皆増)】
【マンション管理適正化・再生推進事業 国費:2.75 億円(2.25 倍)】
【長期優良住宅化リフォーム推進事業 国費:45 億円(1.00 倍)】
(2)空き家対策の強力な推進
少子高齢化の進展等により増加する空き家について、除却・利活用を進めるとともに、その発生を抑制するための取組を進めていくことが重要である。 地方自治体による総合的な空き家対策を一層推進するため、周辺の生活環境に悪影響を及ぼす一方で自主的対応が困難である空き家を代執行により除却する場合等に支援を行う。 また、空き家相談のための人材育成、法務・不動産・建築等の多様な専門家と連携した相談体制の構築、空き家対策に関する新たなビジネスの構築等 のモデル的な取組に対する支援を行う。
【空き家対策総合支援事業 国費:50 億円(1.52 倍)】
【空き家対策の担い手強化・連携モデル事業 国費:5 億円(1.47 倍)】
【社会資本整備総合交付金等の内数(空き家再生等推進事業)】
(3)既存ストックの有効活用・市場の活性化
消費者が安心して既存住宅の取得やリフォームを行うことができるよう、安心R住宅制度や住宅リフォーム事業者団体登録制度等の既存住宅流通・リ フォーム市場の活性化に向けた施策の普及を進める取組を支援する。 また、良質な住宅ストックが市場において適正に評価される市場環境の構 築に向け、関係者が連携し、インスペクション等を活用した住宅ストックの維持向上・評価・流通・金融等の一体的な仕組みの開発・普及を進める取組に対する支援のほか、既存住宅取得時に行うリフォームに対する支援を行う。 さらに、空き家の7割以上を占め、既存住宅流通も伸び悩みがみられる戸建て住宅を資産として利活用し、将来の更なる空き家化を予防するため、買取再販やリースバック※等の多様な選択肢を利用できる環境の整備を図る。 このほか、既存ストックの質の向上を促進し、良好な市街地環境の整備を推進するため、面的な取組を含め、既存住宅・建築物ストックの性能向上のための改修やリノベーションを行う取組に対する支援を行う。
【住宅・建築生産性向上促進事業 国費:7.13 億円(1.00 倍)】
【住宅ストック維持・向上促進事業 国費:8.56 億円(1.00 倍)】
【長期優良住宅化リフォーム推進事業 国費:45 億円(1.00 倍)】
【住宅資産としての戸建て住宅利活用促進事業 国費:0.6 億円(皆増)】
【社会資本整備総合交付金等の内数】 【優良建築物等整備事業の内数(複数棟改修型)】