コロナ対策 住宅ローン返済の救済策は
自民党の岸田文雄政調会長が、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、緊急経済対策に盛り込まれた支援策とは別に、中小・小規模企業に対して家賃を一部負担する新たな補助金制度の創設を検討する考えを示しました。早ければ月内にも取り組みを始められるよう急いで調整を行っているようです。家賃の負担軽減については、野党側も、国が賃料の支払いを肩代わりし、その返済を猶予する法案を近く国会に提出する考えのようです。
しかし困窮するのは事業者だけではありません。数多くの一般市民も家賃支払いに苦しんでいますので、こちらの家賃支払いに対する支援も併せて検討してもらいたいと思います。
平時から低所得者向けに家賃補助制度があるフランスやイギリスなどの欧州各国では、早々と家賃の支払猶予に向けた対策を発表しており、家賃の未払いによる立ち退き要求を禁止しています。また賃貸住宅管理会社である大和リビング(東京都江東区)も、新型コロナウイルスの影響で収入減となっている入居者に対して、希望者には3カ月分までの賃料の支払いを猶予することを発表しています。
そして分譲マンションでは、家賃ではなく住宅ローンの返済で苦しんでおられる方がいらっしゃると思います。今は大丈夫でも、新型コロナウイルス感染症の影響が長引くようですと、今後返済に苦しむ方が増えてくるかもしれません。
分譲マンションを購入される際に「フラット35」で住宅ローンを組まれた方が多いと思いますが、「フラット35」を取り扱っている住宅金融支援機構では、住宅ローンについて返済が困難となった方に対して、融資の窓口となっている金融機関に一度ご相談することを促しており、また、返済を継続するための以下のような返済方法の変更メニューを提示しています。
<返済特例> 返済期間の延長
*毎月の返済額を減らすことができる
*毎月の返済額は減少するが、総返済額は増加する
<中ゆとり> 一定期間、返済額を軽減
*相談した期間内だけ、毎月の返済額を減らすことができる
*減額期間終了後の返済額と総返済額は増加する
<ボーナス返済の見直し>
*ボーナス返済月の変更
*毎月分・ボーナス返済分の返済額の内訳を変更
*ボーナス返済の取りやめ
詳しくは、こちらをご覧ください。
住宅ローンのご返済にお困りの方へのお知らせ/住宅金融支援機構
各金融機関では、個人向けの相談窓口を設置していますし、一般社団法人全国銀行協会でも相談窓口やカウンセリングサービスを開設しています。
返済に困る状態が続くほど解決の選択肢が減るようですので、できる限り早めに、まずはご相談されてはいかがでしょうか。