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防災訓練の内容見直し


 また今年も防災の日(9月1日)が来ました。死者・行方不明者10万5千人を出した「関東大震災」が1923年9月1日11時58分に発生したことにちなんで、9月1日が防災の日となりました。
「地震」「津波」「台風」などの自然災害が他の国と比較して比較的多い日本では、防災対策は非常に重要で、年に一度災害に対する認識や防災対策の見直しをおこなって防災意識を高めることが防災の日の目的で、この9月1日からの一週間は「防災週間」とされています。マンションでも防災意識を高めるために、ほとんどのマンションで毎年1回防災訓練が実施されています。しかし、最近の訓練内容が形骸化されているように思えてなりません。
 それは何故かというと、防災訓練と言っても、ほとんどが火災を前提とした訓練で、消火器の取扱いを学ぶ内容ぐらいだからです。地震や津波、最近特に多発している水害に対する訓練を実施しているマンションはほとんど見たことがありません。勿論、火災に対する防災訓練は必要ですが、最近、マンションで多い『災』は、「火災」よりも「水災」の方が多いはずです。特に「水災」への備えが必要なマンションでは、普段から準備しておかなければならないはずです。台風が接近した時、ゲリラ豪雨に遭った時に慌てることがないように、何をしなければならないのかを防災訓練でしておくことが大事だと思います。例えば、防災訓練のために一ヶ所に集まるのではなく、防災訓練の実施を館内放送したうえで、各自が一斉に、台風で吹き飛ばされる恐れがあるベランダに置いたプランターなどを室内へ移動させる、ベランダの排水口や溝に枯葉などで詰まっていないかを確認する、もし詰まっていれば除去する。これも訓練になると思います。一ヶ所に集まって訓練するのであれば、エントランスなどの雨水等の侵入が想定される場所に土嚢や水嚢を協力して積上げる訓練を行えば良いと思います。
 その他停電の場合の訓練です、台風などで何かが吹き飛ばされ電線が破損してしまい、それが原因で停電になることもあります。また大雨で起きた土砂崩れの影響で電柱が倒れてしまい停電するケースもあります。もし停電になってしまうと、エレベーターが停止してしまい中に人が閉じ込まれることもありますので、閉じ込まれた場合の救助訓練をしておられるマンションもあります。

  マンション住民によるエレベーター閉じ込め救助訓練開催
  エレベーター閉じ込め救出訓練(東京都大田区のマンション)

 また、バルコニーの隔て板を蹴破る訓練を行っているマンションもあります。
  マンションの「蹴破り戸(隔て板)」は、果たして簡単に蹴破れるのか!?

 一度訓練内容を見直してはいかがでしょうか。

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