プロフェッショナルとはどういうこと
昨日、久しぶりにTV番組「モニタリング」を見ました。米米CLUBの石井竜也が大工風作業員のおじさんに、華原朋美が仲居のおばさんにメイクして、一般の観客に歌を披露して、その反応ぶりをモニタリングするというものでした。
米米CLUBや華原朋美の歌が流行していた当時は、お二人の歌に関心がありませんでしたので、好んで聞こうとしていませんでしたし、曲が良く流れていましたので、メロディを知っている程度でした。そして、お二人の曲をゆっくりと聞いたのは昨夜が初めてでした。
ご自身の曲を歌えばすぐに誰だか分かってしまいますので、石井竜也は、あいみょんの「君はロックを聴かない」と米津玄師の「Lemon」を、華原朋美は、Globeの「FeelLikedance」と安室奈美恵の「CAN YOU CELEBRATE？」をまずは歌って観客の反応を見ていました。他の歌手の方の曲ですが、やはりプロの歌手ですので、モニタリングされた観客の方はあまりにも上手いのでびっくりしていました。そして、お二人が自身の曲を歌った際に、やっと石井竜也、華原朋美ご本人であるとわかったときには、感動のあまり泣き出してしまう方が出るほどで、私もお二人が本当に上手くて感動してしまい、かなり涙腺が緩んでしまいました。
何故、感動して涙腺が緩んでしまったのか。たぶん、お二人に「プロ」を感じたんだと思います。これが、本当の「プロ」なんだと。
その後冷静になって、では「プロ」とは何だろうと考えてしまいました。「プロ＝プロフェッショナル」とは何かを調べてみますと、「ある物事を職業として行い、それで生計を立てている人」とありました。でも、生計を立てていれば「プロ」なのかと、また疑問が生じました。
そこで、ネットで検索してみますと、「プロフェッショナル原論」（著者：波頭亮氏）という本があるようです。その中で波頭氏は、プロフェッショナルを「高度な知識と技術によってクライアントの依頼事項を適えるインディペンデントな職業」と定義しています。
そして「プロ」を定義する詳しい要件として、次の5つを挙げています。
1．「プロ」とは極めて高度な知識や技術に基づいた職能を有していなければならない。
誰にでも簡単に習得できる知識や技術ではなく、血の滲むような努力をし続けて得た、誰にも負けないような真似できないような知識やスキルを持ち合わせていないと「プロ」とは言えない。
2．「プロ」の仕事は、特定のクライアント（顧客・依頼人）からの特定の依頼事項を解決してあげるという形式を取る。
誰にも頼まれずに不特定多数に定型のサービスを提供するだけの仕事の場合は「プロ」としては認められない。個々のクライアントの状況や容貌に合わせたオーダーメイドのサービスを提供するのが「プロ」である。
3．「プロ」はインディペンデント、即ち職業人として独立した身分である。
これには二つの意味合いが含まれていて、一つ目は文字通り、プロフェッショナルは組織に雇われて組織の指示と管理の下で仕事をするのではなく、フリーの立場であるということ。
もう一つは、非常に深く幅広い専門知識が必要となる場合には、ひとりで完結するのではなく、それらの専門知識等を持ち合わせたプロのスキルを活用して、依頼人からの問題について自己完結することができることである。
4．正当な「プロ」であるためには、世のため人のため、即ち公益に寄与することを唯一の動機として働かなければならない。
私利私欲のために働いているのであれば、たとえ高度な職能を有していても、それは単なる有能なビジネスマンあるいは腕の良い技術屋でしかない。
5．「プロ」には仕事をする上での厳しい掟が課せられている。
絶対に守らねばならない職業人としての鉄の掟が定められており、この掟を破った時には、当然「プロ」として失格であり、その資格は剥奪される。
波頭氏が定義している「プロ」の内容（高度な知識と技術によってクライアントの依頼事項を適えるインディペンデントな職業）とマンション管理適正化法で定義されている「マンション管理士」の定義内容と見比べてみますと、本当に同じ内容です。上記5つの内容は、プロとしてのマンション管理士はどうあるべきかを良く理解できる要件だと思いました。
◎マンションの管理の適正化の推進に関する法律
第二条第五号
マンション管理士 第三十条第一項の登録を受け、マンション管理士の名称を用いて、専門知識をもって、管理組合の運営、その他マンションの管理に関し、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とする者をいう。