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マンション管理適正評価研究会の評価基準

 前回は、「マンション管理の新制度の施行に関する検討会」の第2回目の検討内容をお知らせしましたが、今回は、マンション管理の適正評価制度を構築するために、昨年8月に発足された「マンション管理適正評価研究会」がとりまとめた評価システムをご紹介したいと思います。こちらの研究会の座長も、「マンション管理の新制度の施行に関する検討会」と同じ斎藤広子横浜市立大学教授です。

この研究会の構成メンバーは以下の方々です。
座長 齊藤広子(横浜市立大学国際教養学部教授)
座長代理 中川雅之(日本大学経済学部教授)
座長代理 松田弘(松田・水沼総合法律事務所弁護士)
委員 岡田順一郎 (公益財団法人マンション管理センター常務理事)
委員 川上湛永 (特定非営利活動法人全国マンション管理組合連合会会長)
委員 神津大介 (一般社団法人全国住宅産業協会理事)
委員 木幡剛 (公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会事務局長)
委員 小林芳雄 (一般社団法人不動産流通経営協会参事)
委員 瀬下義浩 (一般社団法人日本マンション管理士会連合会会長)
委員 飛田茂実 (一般社団法人不動産協会事務局長代理)
委員 本嶋重夫 (公益社団法人不動産保証協会理事)
委員 本東信 (公益財団法人不動産流通推進センター副理事長)
委員 山本正雄 (一般財団法人 不動産適正取引推進機構調査役)
委員 高松茂 (一般社団法人マンション管理業協会副理事長)
委員 福田明弘 (一般社団法人マンション管理業協会理事)※委員は50音順

 中古マンションを購入される一般消費者は、日当たりや広さ・間取り、周辺の環境を購入の際の重要なポイントとして挙げられており、管理状況を気にされている方はほとんどおられないのが実状です。しかし、それも仕方がないことだと思います。現状では、購入を検討する際には、管理状況を知りたくても知るすべがないからです。宅地建物取引業では、マンションの購入者には、以下の項目(マンションに特化した項目のみ)を重要事項として説明しなければなりませんが、この時は、マンションを購入する意思がほぼ固まっているときであり、しかも、この説明事項の情報だけでは、本当に知りたい管理状況を知ることも出来ず、適正に管理が行われているかどうかを判断することはとても難しいのです。
○敷地に関する権利の種類及び内容
○共有部分に関する規約等の定め
○専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約等の定め
○専用使用権に関する規約等の定め
○所有者が負担すべき費用を特定の者にのみ減免する旨の規約等の定め
○修繕積立金等に関する規約等の定め
○通常の管理費用の額
○マンション管理の委託先
○建物の維持修繕の実施状況の記録

 一般消費者に必要な情報を数値でわかりやすく開示することができれば、購入物件の本当の管理状況を見きわめて買うことが可能になり、そのために「マンション管理適正評価研究会」で検討が重ねられ、そして今年2月に、その報告書が発表されました。
 「マンション管理適正評価研究会」がとりまとめた情報開示と評価基準(5項目)は次のとおりです。

【 評価項目と配点 】
1 管理組合体制関係(20点)
・管理者の設置
・総会の開催、議事録の作成
・規約の整備状況
2 管理組合収支関係(40点)
・管理費会計の収支
・修繕積立金会計の収支
・滞納管理費等への対策
・修繕に関する資金計画の状況
3 建築・設備関係(20点)
・法定点検の実施
・長期修繕計画書の有無
・修繕履歴の保管
4 耐震診断関係(10点)
・耐震診断の実施の有無
・耐震診断結果、改修計画の予定の有無
5 生活関係(10点)
・設備等異常時の緊急対応
・消防訓練の実施
・防災マニュアル等の整備状況

【 評価ランク 】
S:特に秀でた管理状態    90~100点
A:適切な管理状態である   70~89点
B:管理状態の一部に問題あり 50~69点
C:管理状態に問題あり    20~49点
D:管理不全の恐れがある    0~19点

【 評価の手順 】
①評価依頼…マンションの評価をマンション管理組合からマンション管理会社へ依頼

②管理状態をチェック…認定IDを発行、登録システムを利用し、評価シートを作成

③登録申請…認定マンション管理士・認定管理業務主任者が評価結果の登録を依頼

④審査・仮評価

⑤本登録…評価結果を物件管理情報システムに登録

⑥登録証発行…マンション管理協会からマンション管理組合に評価結果の知らせ

 ご覧とおり、この評価項目は、今後地方自治体が作成する「マンション管理計画認定制度」の認定基準と重複している項目もあることから、今後、「マンション管理計画認定制度」と「マンション管理適正評価制度」との接続について働きかけを行っていくとのことです。

 下記の評価シート(仮)で、一度管理状況をチェックして見て下さい。
 *評価シート

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