分譲マンションが「健康・医療」をコンセプトに
今、「健康」をテーマとして健康管理を付加価値にしたマンションが増えてきています。
東急不動産が分譲した「ブランズシティ世田谷中町」では、子育て家族を支える制度が整備されています。妊娠届の届出日から出産後1年まで、家事などを代行してくれる子育て支援ヘルパー派遣サービスを受けられ、また、スマートフォンで小児科医に直接無料で相談ができます。そして世田谷区では産後4ヶ月未満の母子を対象にした母体ケア、乳児ケア、育児相談や、0~15歳までのお子様の医療費の一部を助成してくれる制度があります。
三菱地所レジデンスが建設中の「ザ・パークハウス塚口」では、計測した体重や体脂肪率等をスマートフォンアプリに自動的に転送・記録できるFiNC Smart Scaleが各住戸に1台配布され、AIトレーナーが的確にアドバイスをしてくれたり、管理栄養士からの生活習慣や理想の食事メニューをアドバイスしてくれます。また、敷地北側には総合病院の「つかぐち病院」があり、健康セミナーが受けられるようです。
最後に、近鉄不動産が分譲している「ローレルスクエア健都ザ・レジデンス」ですが、場所は、東洋一の操車場と謳われた吹田操車場の跡地で、今そこで、「健康・医療」をコンセプトにした街づくりが進められています。敷地は約30ヘクタールで、国立循環器病研究センターや市立吹田市民病院の移転をはじめ、クリニックモールなどが入居する駅前複合商業施設、健康遊具が配置された健都レールサイド公園などの整備も進められています。「健康・医療」をコンセプトにした都市開発がスタートしたきっかけは、街づくりの中核となる施設である国立循環器病研究センターの移転決定でした。この国立循環器病研究センターは、日本に6つしかない国立高度専門医療研究センターのひとつで、循環器に関する日本最先端の医療機関・医学研究機関として知られています。これを中核にして整備されている開発都市が「北大阪健康医療都市」で、その中に「ローレルスクエア健都ザ・レジデンス」があり今分譲中です。近鉄不動産・大和ハウス工業・名鉄不動産の3社が分譲しており、5棟の総戸数824戸で一部3月から入居がスタートしています。ここで受けられる健康ソフトサービスを紹介してみたいと思います。
各戸にドコモ・ヘルスケアのウェアラブル端末や健康機器が配布され、光ブロードバンド回線等を通じて活動量、体重体組成、血圧などのデーターが収集・蓄積されます。そのデーターは「国循健康管理システム」により分析され、その結果を自宅のテレビ画面で確認することができるというサービスです。そして、3ヶ月に一度、個々のバイタルデータに基づいて医療専門家からアドバイスをもらうこともできます。さらに、高度循環器ドックを受診できる(1住戸1名1回受診できる受診権を付与)ほか、お薬手帳の内容を国立循環器病研究センターに報告すれば、「国循健康管理システム」にデーターが入力されて、投薬履歴を考慮したアドバイスを受けることもでき、ハイクオリティーの健康管理サービスを受けることができます。
その他に、敷地内にはランニングコースやウォーキングコースがあり、トレーニングマシンがあるエクササイズルームの共用施設も用意されています。
今後、フィットネススタジオが併設されたマンションやAIを活用した健康管理ができるマンションなど、子育て家族にも高齢者にも考慮した「健康・医療」マンションが続々と登場してきそうです。