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大規模修繕工事実態調査(令和3年度)その2

 
 前回は、大規模修繕工事費用を比較(前回調査と令和3年度調査)してみましたが、今回は、前回の調査にはなかった「施工業者の選定方法(全体)」の結果を見てみたいと思いますが、その前に「設計コンサルタント業務の発注先の選定方法(全体)」の結果を見てみます。調査結果は以下の通りです。
1位 見積もり合わせ方式 53.3%
2位 特命随意契約方式(リピート受託) 10.5%
3位 特命随意契約方式(初めての受託) 5.8%
4位 その他 1.4%
 上記以外は不明および無回答です。戸数にかかわらずほぼこの数値のようです。

 それでは、「施工業者の選定方法(全体)」の結果を見ていきます。調査結果は以下の通りです。
1位 見積もり合わせ方式(同一仕様書) 61.6%
2位 競争入札方式(価格以外の要素も考慮) 17.6%
3位 指名競争入札方式(価格で決定) 4.3%
4位 見積もり合わせ方式(仕様は各社裁量) 3.8%
5位 競争入札方式(価格で決定) 3.4%
6位 特命随意契約方式 2.1%
7位 その他 0.1%
 上記以外は不明および無回答です。1回目と2回目で極端な差はないようですが、3回目においては「競争入札方式(価格以外の要素も考慮)」が30.5%で1回目・2回目の2倍以上となっているようです。

<施工業者の選定方法>
 
 次に戸数別で見てみますと、次のような傾向となっています。
・「20戸以下」では、他の戸数と比較して「見積もり合わせ方式(同一仕様書)」が44.0%と低く、「指名競争入札方式(価格で決定)」が12.0%と高くなっている。
・「200戸超~300戸以下」と「300戸超」では、「見積もり合わせ方式(同一仕様書)」がそれぞれ72.2%、75.6%と7割以上である。
・一番多い「75戸超~100戸以下」のマンションでは、「見積もり合わせ方式(同一仕様書)」が50.0%しかなく、「競争入札方式(価格以外の要素も考慮)」が27.9%と非常に高い割合となっている。

<戸数別施工業者の選定方法>
 
 最後に、施工業者を決定した際の評価事項は、次のような結果となっています。
1位 工事金額 63.1%
2位 施工業者の実績 58.3%
3位 現場代理人予定者の実績 39.3%
4位 居住者対応 35.7%
5位 技術提案 34.7%
6位 安全管理体制 25.9%
7位 品質管理体制 25.5%
8位 アフターメンテナンス 16.7%
9位 前回大規模修繕の施工業者だから 2.5%
10位 管理委託している管理会社だから 1.5%
11位 新築時の施工業者だから 0.6%

<施工業者を決定した際の評価事項>
 
 ちなみに、私が重要視している評価事項は、「現場代理人予定者の実績」と「居住者対応」です。現場代理人予定者については、実績も重要ですが、工事期間中の居住者への一時対応をしていただくことになりますので、この対応をしっかりできるかどうかを見極める必要があります。最終選定のプレゼンテーションで現場代理人予定者にできるかぎり質問を行って、その際の回答内容及び話し方を見ます。小さな声やしどろもどろで回答するようであれば、居住者からのクレーム対応をしっかりとできないと思われるからです。
 次回は、大規模修繕工事の周期についての結果です。

詳細はこちらをご覧ください。
「令和3年度マンション大規模修繕工事 に関する実態調査」

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