避難所設営シールセット
今大阪で、注目されている印刷会社があります。それは天王寺区鶴橋近辺にある「大阪シーリング印刷株式会社」です。昭和2年に創業された戦前からある古い会社で、創業約90年です。会社の設立も昭和29年ですので、こちらの方も約60年以上経っています。何が注目されているかと言いますと、災害等の避難所で使用するための「避難所設営シールセット」です。
災害が発生しますと、急いで避難所が開設されますが、その際、避難された方へお知らせするための表示のほとんどがコピー用紙で手書きされたものです。手書きで書かれたコピー用紙はガムテープで貼ることになりますが、字が読みづらかったり、紙が破れたり、雨に濡れて剥がれたりします。大阪シーリングは、2011年の東日本大震災で避難所の混乱ぶりをニュース等で知り、何かできないものかと開発したのが「避難所設営シールセット」です。特殊なノリを使用していますので、様々な素材の壁に貼ることができだけでなく、衣服にも貼ることができるそうです。そして、剥がしても跡が残らないとのことです。シールの色も項目ごとに色分けできますので、非常にみえやすく、シール自体にも耐水性があります。
2015年には、高齢者や障害者、外国人、子供などに見やすいデザインを競った「メディア・ユニバーサルデザインコンペティション」で最優秀賞の経済産業大臣賞を受賞しており、昨年の大阪北部地震や西日本豪雨の際には、この「避難所設営シールセット」が活用されて、脚光を浴びるようになりました。活用されたシールの例としては、「立入禁止」、「受付」、「トイレ」「燃えるゴミ」、「燃えないゴミ」、「スタッフ」などです。
この「避難所設営シールセット」は、現在自治体や企業、学校などが緊急時対策用として購入されているようですので、災害時のマンションでも活用できると思います。慌てて手書きしたコピー用紙を用意しなくても済みますし、非常に文字も見やすいと思います。食料品等の備蓄品は各ご家庭でご用意していただくのを基本として、この「避難所設営シールセット」を管理組合として準備しておかないものの一つとして、先ずは理事会で購入の検討をされてはいかがでしょうか。
この「避難所設営シールセット」は、1セット28,000円で、詳細はメディア・ユニバーサルデザイン協会(03-3634-2970)まで問合せて下さい。