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「マンション管理トレンド調査2020」結果概要

 マンション管理業協会から「マンション管理トレンド調査」の結果が発表されていましたので、お知らせいたします。この調査は、以下の項目について、マンション管理業協会に所属しているマンション会社の自己申告方式により実施されたものです。
<2020年度調査項目> 回答会社数335社
1. IT活用の取組み状況について
2. マンション標準管理委託契約書の反映状況について
3. マンション標準管理規約の反映状況について
4. 従業員の雇用状況について
5. 働き方改革等の実施状況について
6. 災害等対策の実施状況について
 この調査は、昨年から実施されたもので、ちなみに昨年の調査項目は以下の項目でした。
<2019年度調査項目> 回答会社数332社
1. IT活用の取組み状況について
2. 電子契約の利用状況について
3. 標準契約書の改訂状況について
4. 重要事項調査報告書の改訂状況について
5. 消費増税への対応について
6. 外国人居住者への対応状況について
7. 現場従業員の雇用状況について

 昨年と同じ調査項目は、「IT活用の取組み状況について」と「従業員の雇用状況について」の2つですので、この2つについての結果概要を見てみたいと思います。
 まず初めに、「IT活用の取組み状況について」ですが、AI・Iot等の先進技術導入の事案についての質問で、導入済みの事案で圧倒的に多かったのが「管理組合収納口座の出納にネットバンキング活用」(105社)で、この事案を検討中と回答した会社も68社ありました。その他目立った事案としては、「現場現金の完全キャッシュレス化」(導入済37社、検討中78社)、「現場現金の一部キャッシュレス化」(導入済45社、検討中42社)で、やはり「お金」の取扱いに関する事案です。
 そして、一番特記すべき事案は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、「ITを活用した理事会」です。すでに「導入済」はまだ10社ですが、「検討中」が最も多い95社で、今、管理会社が管理組合に「IT活用の理事会」を一番提案している、または管理組合から「IT活用の理事会」の検討の要請を受けているということになります。
 導入の際の課題としては、「導入コストが高い」(214社)、「技術動向を見極めている」(114社)、「導入効果が見えない」(106社)がベスト3で、管理組合に貸与しているモバイル端末は、「スマートフォン」(183社)、「ガラケー携帯電話」(134社)の2つが多く、「タブレット」(55社)は思っていたほど多くなかったです。

 次に「従業員の雇用状況について」の質問ですが、1年前と比較して、半数以上の173社の管理会社が厳しくなっていると回答しており、1年前と変わらないと回答した管理会社も129社ありました。また、従業員の過不足状況については、7割以上(227社)の管理会社が不足していると回答しています。その中で「大いに不足している」と回答した管理会社は66社あり、その不足の職種は、やはり営業担当者(フロントマン)と管理員(日常清掃業務を含む)です。
 従業員としての外国人の受け入れについては、採用しているのは33社で、248社が現時点では検討していないと回答しており、検討している会社の受け入れ職種は、言葉の弊害があることから、管理員ではなくほとんどが日常清掃員です。

 最後に、「マンション標準管理委託契約書の反映状況について」の質問で、回答結果が気になったことがあります。2年前に国土交通省作成の「マンション標準管理委託契約書」が改訂されましたが、改定された内容を管理組合に提案して、その内容で管理委託契約を締結している管理会社は約半数(49%)だけです。昨年(41%)からみても少し増えただけです。現在管理組合に提案中の管理会社は74社ですが、社内で検討中(管理組合には提案されていない)が72社、改定しないと回答した会社は何と20社もありました。「検討中」と回答した72社も、この調査を実施した協会に「忖度」して「検討中」と回答している可能性もあると思っていますので、約3割の管理会社が管理組合に何ら提案していないと思われます。
 下記のマンション標準管理委託契約書等の新旧対照表をご覧いただき、是非、現在の管理会社との管理委託契約書と比較してみて下さい。もし、改訂箇所がないようでしたら、必ず管理会社に内容を改訂するように打診して下さい。

  マンション標準管理委託契約書等 新旧対照表

  「マンション管理トレンド調査2020」結果概要について

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