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台風シーズンに向けてのマンション水害対策準備

 一昨日の9月1日は「防災の日」でした。秋には、ほとんどのマンションで「消防訓練」が実施される予定ですが、「防災訓練」を実施しているマンションはほとんどないと思います。また、「防災マニュアル」も、ほとんどが地震時の対応マニュアルで、水害等の対応についてのマニュアルではありません。勿論、地震や火災への対応マニュアルも大事です。消防訓練も大事ですが、ここで、よく考えてみて下さい。ご自分のマンションでの地震や火災の被害発生確率と、水害の被害発生確率とでは、どちらが高いでしょうか。確かに、地震や火災が起きた時には、水害が起きた時よりも人命に関わってきます。
 しかし、水害が起きた場合には、しばらくの間、日常生活に多大な影響がでてきます。皆様も感じていますように、最近は、とてつもないゲリラ豪雨が年に何回も起きていますし、台風の被害も年々拡大しています。その影響で、今までにはあり得ない水害がマンションで起きるようになってきています。水害発生の確立は、地震や火災よりもはるかに高くなってきています。
 昨年の武蔵小杉のタワーマンションで起きた停電・断水は、他人ごとではありません。電気室や給水設備が地下にあったために、電気系統がストップしてしまったのが原因ですから、電気室へ水が流れ込まないような対策を、地震対策や火災対策よりも重視して今のうちに検討しておく必要があると思います。
 水が流れ込まないようにするための対策としては、少し費用はかかりますが、電気室や給水設備などの扉を防水型の「水密扉」に替える、または「止水版」を設置するなどがあります。

  折りたたみ可能な「ボックスウォール」紹介記事

 前回紹介した「ボックスウォール」以外にも、太陽工業株式会社が最近開発した「デルタパネル」というものがあります。この会社は大型テントでは世界シェアーが6~7割ある会社で、この会社の大型テントは、東京ドームや関西国際空港の天井にも使用されており、今競技真っ只中の全米オープンテニスのメイン会場であるアーサーアッシュスタジアムにも使用されています。その会社が開発したのが「デルタパネル」です。価格は、5mタイプ(コーナーパネル2枚+中間パネル1mタイプ3枚)で税抜き20万円です。
詳細は、こちらをご覧ください。

  太陽工業株式会社「デルタパネル」

 また、管理組合様にも啓蒙していただきたいのですが、マンションの1階・2階にお住いの方にお願いしたいことがあります。台風や集中豪雨で最も影響を受けやすいのは1~2階の住戸で、玄関やベランダからの浸水、また川の氾濫によって排水口に下水が逆流してきます。それを防ぐために、次のことをしていただきたいのです。玄関やベランダからの浸水を防ぐために、市販されている「簡易止水シート」などを使って、浸水の可能性のあるベランダのサッシや窓、玄関ドアなどの出入口を防いでもらうこと。そして、排水口への下水の逆流を防ぐために、キッチンシンク、洗面所、洗濯機置き場、浴槽、洗い場、トイレの排水口に「水嚢」を置いて塞いで下さい。
 これらの「簡易止水シート」や「水嚢」は、管理組合で購入して準備していただければと思います。1~2階の住民の方のために使用しますが、浸水や下水の逆流が起きれば、他の専有部分や共用部分にも影響がでてきますので、管理費等での購入を是非検討していただき、台風シーズンに備えていただきたいと思います。

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