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来年秋に火災保険料値上げ予定

 地震保険が来年1月に改定され、全国平均で3.8%値上がりすることをお知らせしましたが、火災保険料も来年の秋に引き上げられるようです。理由は、西日本豪雨や大型台風の風水害が相次いだために保険金支払額が大きく膨らんでしまい、損保会社の収支が悪化したためです。
 日本損害保険協会によりますと、豪雨など風水害に伴う損保業界の保険金支払額は、過去2014年度が過去最高で7,449億円でしたが、今年はこれを大きく上回り、10月末時点で大手損保会社3社で1兆円を超える見通しだそうで、MS&ADインシュアランスグループホールディングス(HD)が4,000億円超、東京海上HDとSOMPOHDがいずれも3,000億円台半ば程度になるということです。
 具体的にどれくらい値上がりするのかはまだ決まっていないようですが、5%前後になるようです。この数字は、今年6月に損害保険料率算出機構が、各社が保険料を設定する基となる料率を平均5.5%引き上げており、これを目安としています。
 ここで損害保険料率算出機構が算出する料率について少し説明したいと思います。損害保険料率算出機構は、保険会社から報告された契約・支払いに関する大量のデータを基に均質な保険統計を作成・分析し、社会環境の変化を考慮したうえで、保険数理などの合理的な手法を用いて火災保険の参考純率を算出します。そしてその後、金融庁長官に算出した火災保険参考純率の届出を行います。金融庁は届けられたこの参考純率が①合理的である②妥当なもの③不当に差別的でないの「保険料率の3つの原則」に適合しているかどうかを審査します。この参考準率が適合していると金融庁から通知がなされると、保険会社はこの参考純率を使用して各自の保険料を設定します。
 参考純率は、算出した時点で適正であっても、社会環境の変化や、今年のような自然災害の多発によりリスクの実態が変化するため、適正な水準を絶えず見直す必要があります。そのために、損害保険料率算出機構は参考純率が適正な水準であるかどうかを毎年度チェックし、この検証の結果、改定の必要があると判断した場合に参考純率の改定の届出を行います。それが今年の6月に行われており5.5%の値上げとなっています。そして、この参考料率を基に保険会社が、来年秋ぐらいを目途に火災保険料を値上げする予定にしているのです。

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